2018.05.28
【日替わりレビュー:月曜日】『与一とツグモ』琥狗ハヤテ
『与一とツグモ』
モフモフを描かせたら天下一品の琥狗ハヤテ先生の読み切り新刊です!
今回のカップリングは狸×狐。どっちもモフモフです。
さすがに二足歩行という方向で半擬人化されていますが、人っぽいのはそこだけでして、後は顔も身体もしっかり獣仕様となっております。
狸の与一が産土神として守っている森に、新たな産土神として生まれた狐のツグモ。神様に転生する前はほんの子狐だったツグモは無邪気そのもので、教育係として色々教える与一もたじたじです。本当に与一に無条件で懐いて慕っていくツグモがたまらん可愛いんですよ!!
何事にも全力だし、泣くのも笑うのも一切のためらいがないので清々しいといいますか。特に泣き顔に萌えます……。
そんな無邪気なツグモに、ものすごくフラットに告白された与一の動揺はなかなか見ものです。でも立ち直りも早くてそのまま性教育に突入しちゃうのはさすがBLというべきでしょうか……。なんというか、彼らって全身ふかふかなので全裸(?)でもあんまりいやらしさがないんですよ。
ないんですけど、骨格が二足歩行仕様なので、下半身はこう、ヒトなんですよね。ですので、しっかりちゃんとそういうシーンはそういうシーンとしてお楽しみいただける感じです。
森でのふたりの暮らしがとてもほのぼ・のびのびとしていて楽しそうなのと、親子っぽく教師と教え子っぽく、でも最終的には恋人になるこのグラデーションな変化もとても素敵です。この作品ではひたすら可愛いツグモですが、この先成長して逞しくかっこ良くなった姿とかも、ちょっと見てみたい気がします。
与一がツグモを得た理由にはちょっとドキっとしましたが、最後までおとぎ話風にほのぼのと読み終われますのでご安心くださいませ。
©琥狗ハヤテ/プランタン出版