2018.05.29

【まとめ】「脳卒中週間」記念企画!脳卒中を題材にした体験ルポマンガ

皆さん知ってましたか? 毎年5月25日~31日「脳卒中週間」であることを。

実は脳卒中はガン、心臓病、肺炎に次ぐ死因第4位の恐ろしい病気なのです。脳の血液循環障害により、半身がマヒしたり、顔が歪んだり、ろれつが回らなくなるなど、様々な症状が起こります。

研究によれば、脳梗塞の発症時期は6~8月が多いとされています。なので、啓蒙的な観点からこの時期に脳卒中週間が設定されているのです。

脳卒中は早く症状に気付き、早期受診することがとっても大事。数時間違うだけで治療方針も後遺症の確率も変わってきます。つまり、脳卒中の知識があれば早めに対応できるわけです。

そこで今回は、若くして脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)を患った作家たちの体験ルポマンガをご紹介します。マンガを読んで脳卒中に備えよう!

『33歳漫画家志望が脳梗塞になった話』

昼は会社で働き、夜はマンガを描く。そんな生活を忙しく続けていたマンガ家志望者の、あやめゴン太先生が朝方に発症し、左手足が麻痺。発症から7時間後に病院を受診。

発症後の治療、リハビリ、治療費の話、少しずつ回復していく身体、そして恐怖の尿道カテーテル……。脳梗塞発症から復帰までのアレコレを明るめのタッチで、ポジティブな作風で描いています。

重いテーマではありますが、ポップな絵柄でさらりと読みやすく作られており、「読んだ人が重い気持ちにならないように」という点を重視して描かれたそうです(あとがきより)。

なお、あやめゴン太先生の場合は、入院から6週間後には日常生活に復帰できるまで回復し、1年3ヶ月後にはほぼ発症前に近い状態にまで回復されています。

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『ずっと健康だと思ってた。34歳脳こうそく克服記』

有田奈央先生は絵本作家と保育士の兼業生活を送られていましたが、やはり朝方に突然発症。頭痛と左半身が麻痺します。

「寝ていれば治るかな」と軽く見た結果、ようやく13時間後に受診。有田先生の場合は発症一年後もなおリハビリ通院を余儀なくされています。

絵柄はこちらもポップですが、『33歳漫画家志望が脳梗塞になった話』と比べると、有田先生の治療時の精神的な凹みっぷりや、家族との衝突なども描かれており、若干ヘビーではあります。ただ、ケンカした妹ともすぐに仲直りするので、読後感は決して悪くありません

退院後の満員電車の話とか、カテーテル検査の辛さ、高額の治療費に驚くところなど、『33歳漫画家志望が脳梗塞になった話』とピックアップしている箇所が似ており、2冊続けて読むと「脳梗塞になると、みんなこの辺りに衝撃を受けるんだなあ……」ということが分かってきます。

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『くも漫。』

前二作と異なり、「くも膜下出血」を扱った作品です。作者の中川学先生はファッションヘルスで行為中にくも膜下出血で倒れ、救急車で運ばれました。
幸い発見が早かったこともあり、術後は理想的に経過していったのですが、問題はその後です。そこから物語は大きく動きます。

そう、親戚一同が集まって、「学はどこで倒れたのか」を推理し始めるミステリーパートへと移行するのです。

救急隊員も慮って、家族・親戚には「アーケード街で倒れていた」としか伝えていなかったのです。しかし、中川先生は倒れた時に靴を履いていなかった。これがミステリーとなり、親戚一同の中で推理が始まります。執拗に謎を追い求める親戚たち……。

中川先生は病人なのに、まるで古畑任三郎に追い詰められる犯人の如く、親戚たちの名推理に脅かされるのです……。

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以上、脳卒中に関する3作品をご紹介しました。

なお、『33歳漫画家志望が脳梗塞になった話』のあやめゴン太先生から、この時の話を聞くことができました。あやめゴン太先生は当時、仕事の後にマンガを描く時間を確保するために、睡眠時間、4~5時間の生活を送っていたそうです。さらに……

「あの頃は布団を使わず、あえて床で寝るなどの無茶をしていました。床だったら寝心地が悪くて、すぐに起きてマンガに取り掛かれるので……。でも、今思うと、体が全然休まってなかったんだと思います。いつも頭がボーッとしてたし、そういうのが脳にも悪かったのかと……。だから、睡眠は大事です! 皆さん、無理せずちゃんと寝て下さい!」

とのことです。また、あやめゴン太先生は脳梗塞の症状について無知だったために、病院に行くのが遅れてしまった、とも言っていました。

気付かずに対応が遅れるのは、患者本人ももちろん辛いのですが、実は周りの家族も辛く、『33歳漫画家志望が脳梗塞になった話』でも『ずっと健康だと思ってた。34歳脳こうそく克服記』でも、家族が「病気に気付いてあげれなかった」と言って後悔する描写がありました。

なので、脳梗塞に関する知識は、自分の異変に気付くためだけでなく、家族の異変に気付いてあげるためにも重要なのです。

なお、発症から4時間半以内に受診できれば、脳内で詰まった血の塊を溶かす薬を使うことができ、それだと場合によっては、その日のうちに退院することも可能とのこと。

一分一秒でも早く受診することが脳卒中においては大事なので、マンガでも他の手段でもなんでもいいので、この機会に脳卒中について学んでおきましょう!

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この記事を書いた人

架神 恭介(@マンガ新連載研究会)

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