2018.07.06
【まとめ】恋に試練は不要! ゴール済みイチャイチャカップル特集
「恋愛マンガって、なんですれ違ったり誤解したりばっかりなの! ちゃんと話し合えばすぐに解決するよ! しよう、コミュニケーション! 報・連・相!」
そんな読者の想いが届いたのか、最近では既にゴール済みのカップルがイチャイチャし続けるマンガが増えてきました。そこで今回は、恋の試練的なものは全て乗り越え終わってゴールを迎えた後のカップルたちの作品を集めてみました。
『最高は俺のアヤカ 俺のアヤカは最高』
ド田舎の田んぼの中にポツンと立つコンビニの前で、タッくんとアヤカの二人が著しく頭の悪いバカップルトークを繰り広げるだけの作品です。
タッくん:「俺さ、行ってみたいな、いつか東京に」
アヤカ:「東京! テレビで見たことある所だ!」
タッくん:「そうだ! 東京はテレビに映るところなんだぞ!」
アヤカ:「すてき…。東京はタッくんに絶対似合うよ~!」
(第一話より引用)
概ね、常にこんな感じです。まともな情報はだいたい3コマ中1コマくらいしかなく、残りの2コマは二人のバカップルっぷりを見せつけることに費やされます。
となりのヤングジャンプで連載スタートしました!!
バカップルの漫画で、タイトルは「最高は俺のアヤカ 俺のアヤカは最高」です。
毎週月曜日更新! お願いしまーーーす!!https://t.co/yCVYEemDnc
(URL付けました! 再掲すみません! ヒーーッ!) #俺アヤ pic.twitter.com/K4G00TUEMd— 八鷺@7/19単行本発売 (@yasagi) 2017年7月31日
基本的には、田舎のバカップルの目も当てられないような甘ったるい発言・行為を延々と見せつけられるだけの作品ですが、話が進んでいくにつれて、一見マイルドヤンキー的な風貌のタッくんの職場(鳶職)での真面目さが描かれたり、アヤカの母親や級友を通して見た二人の関係性が描かれるなどあって、当初は珍獣的バカップルだった二人が、だんだん社会の中で祝福されたバカップルとして再定義されていくという、ほっこりした作品になっています。
『とっても優しいあまえちゃん!』
こっちのゴール済みカップルはヤバイ!
片や大学受験に失敗し、マンガ家を目指している(けど、ほとんどマンガを描かない)おにーさん。そして、Dカップの巨乳小学生女子のあまえちゃん! 明らかにダメダメダメ男のおにーさんを、あまえちゃんがその名の通り、徹底して甘やかし続けるお話です。
どのくらい甘やかせてくれるかというと、おにーさんが立って二歩歩いただけで褒めて、なでなでしてくれます。そして、おにーさんは小学生女子のDカップの胸に顔を埋めながら、「ママー!」「あまえちゃんから生まれたい!」と叫ぶのです。
とにかく、おにーさんがダメダメのダメ男なので、そんなおにーさんのダメさと、それでもおにーさんをいつまでも甘やかし続けるあまえちゃんにより、とてもスイートな世界となっています。しかし、この世界があまりにスイートなだけに、本作の読者は大丈夫なのかと心配になったりも……。
だって、現実にあまえちゃんはいないんですよ……? 二歩歩いただけで褒めてなでなでしてくれる小学生女子はいないんですよ……?? 本作を読み終わった後、みなさんはそんな現実に耐えられるんですか?
なお、3巻のラストではおにーさんとあまえちゃんに衝撃の展開が訪れます。……いや、衝撃というか、常識的に考えたらそりゃそうなるだろうという展開で、ある意味、当然の展開ではあるのですが……。続きが気になって仕方ありません。
最終巻の4巻は7月9日発売予定です。
『僕の彼女は最高です!』
こちらもゴール済みカップルの日常を描いた作品ですが、特徴としては、こちらはツイッターが元になった作品であり、作中の主人公であるカップルは実在する二人をモデルにしているという点です。
ある意味、あまえちゃんの対極にある作品ですね。
本作に登場する「彼女」は、マンガ的なヒロインとは異なり、非常に男前な性格とされています。とはいえ常にサバサバした快活な性格という訳でもなく、卑怯だったり、だらしなかったりと、ある意味とてもリアル。
現実のモデルがいるからこそ、とても多面的で複雑なキャラクターになっていると言えます。妻や恋人がいる人は、そのリアルさに「あー、あるある」となるのではないでしょうか。
しかし、本作を読んでいて思ったのは、「最高はちょっと言い過ぎじゃないかな?」ということです。だって、最高って一番ってことですよね? ヒロインは現実に存在する人がモデルだからこそ、等身大であり、人間的であって、客観的に見ても完全無欠の最高の人格とは言えません。マンガのキャラではなく、同じ人間として比較できてしまうわけです。だから筆者のように、「いやいや、うちの妻の方が最高だよな……」と感じてしまう人も多々いるはず。
他人のバカップル自慢マンガを読んでいたはずが、なぜか自分のバカップル自慢になっている……。そんな不思議な作品です。
『理系が恋に落ちたので証明してみた。』
こちらは今回のテーマ的には異色の一作です。情報学の研究室での修士一年の男女を主人公としたカップルマンガなのですが、正確に言えばこの二人、まだゴールしていない……!
「えっ、じゃあ、なんで今回取り上げたの??」と思われるかもしれませんが、この二人、既に氷室(♀)から雪村(♂)への告白は第一話で行われたものの、そこはデフォルメ理系キャラの二人ですから……
雪村:「『好き』の定義は何だ?」
氷室:「…そうね。確たる証拠もなく”判定”するのは、理工学専攻失格ね」
(第一話より引用)
とかなんとか言い出して、互いの恋愛感情を証明するために、心拍数測定などを通して定量データを集めたり、実験と称して異様に回りくどいデートを行うなど、理系的行為を延々と続けていき、未だに告白に対する返答は保留状態という有様なのです。
しかし、本作をこのまとめに入れてしまったのは、この二人が、共有する理系的手法を通じて共に実験を繰り返すさまがゴール済みカップルのバカップル行為にしか見えないためです。
バカップルというものを「二人の間でしか通じない閉鎖的文化・価値観を共有し、それに基づいて行動する人たち(なので傍から見ると異様に見える)」と定義するなら、理系的価値観に基づき異様な行動を共にする本作の二人は「ゴール済みバカップル」とほとんど近似した存在と言えるのではないかと思うのです。
いかがでしたでしょうか? ストレートなイチャラブ作品の『最高は俺のアヤカ 俺のアヤカは最高』、片方が小学生女子という挑戦的作品『とっても優しいあまえちゃん!』、実際のカップルをモデルにした『僕の彼女は最高です!』、そして、バカップル未満のはずなのに既にバカップルという異色の作品『理系が恋に落ちたので証明してみた。』。
一口にゴール済みカップルのイチャラブ作品と言っても、いろんなバラエティがあるんですね! 気になった作品をぜひ手に取ってみて下さい!
©八鷺一郎/集英社, ©ちると/KADOKAWA, ©伊織, 高田タカミ/講談社, ©山本アリフレッド/フレックスコミックス