2018.07.31
【日替わりレビュー:火曜日】『ノアズノーツ』池沢春人
『ノアズノーツ』
横浜に暮らす女子高生・寿未来(ことぶきみらい)は、気まぐれに拾った珍しい石をSNSアップする。数日後、未来の元に考古学者のノア教授が現れて、未来を拉致ってしまう。ノアに連れられていった先には、10万年前の横浜・みなとみらい遺跡が広がっていた……!?
今の文明は、10万年前に一度滅んだ人類の歴史をなぞっている、二周目だったんだよ!? な、なんだってーっ!
そんな大胆な仮説「人類周回説」を研究する考古学者のノア教授に巻き込まれる寿未来。いやー「週刊少年ジャンプ」でも、ついにギャルが主人公のマンガが登場ですよ!
もちろん『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』など、以前からギャルはマンガやラノベにも登場していました。けれど天下の「ジャンプ」本誌に、サブヒロインではなくメインでギャルが描かれる時代がきたというのは実に感慨深い!
ギャルと言ってもアタリがキツイ方じゃなくて、筆者のような陰キャにも優しく接してくれそうな優しい系ギャルなのが嬉しい。
そんな未来の、ちょっとおバカな連想ギャグが面白い。マフィアって聞いて「マフィンの仲間?」とか、蜂の巣にされる→六角形に囲まれる妄想とか。あえて褒め言葉として使用しますが、アホな一面が、見た目ギャルと相まって可愛さを増幅させています。
肝心のノア教授は、いわゆるマッド・サイエンティスト。授業中の教室にヘリで窓から乱入したり、自分たちを囮にして巨大フクロウに襲わせたり。ハチャメチャだけど、人が学んできた歴史を尊び、目的のために突き進む信念を持ち合わせているのがカッコいい。
未来はノア教授に巻き込まれる形で、10万年前の遺物を追い求めて世界を冒険することになります。オーパーツ、カタコンベ、バミューダトライアングル……世界の不思議を探検するワクワク感は『インディ・ジョーンズ』や劇場版『ドラえもん』のよう。
考古学+冒険モノを、今どきのエッセンス(ギャル要素)で調理しているところに妙味があるオススメマンガです。