2018.08.07
【日替わりレビュー:火曜日】『ロロッロ!』桜井のりお
『ロロッロ!』
友達のいない森繁ちとせのために、町一番の天才科学者である父親が開発した高性能なロボット・イチカ。普通の女子中学生と見分けがつかないほど精巧で、ちとせは父親がさらってきた女の子だと誤解してしまいます。かくしてパトカーのお世話になる勘違いギャグが炸裂する第一話から大笑い。
『みつどもえ』でもお馴染み、お父さんが不審者扱いされる桜井のりお先生の必勝パターン。『ロロッロ』ではイチカによるロボットジョークがいい味を出しています。
乳首を取り外したり、防水仕様がゴツいおっさんの着ぐるみだったり、ロボットの機能が元で毎回トラブルが発生する。
イチカ「昨日の夜 博士に大人の女にしてもらったんだ~~」(胸パッドをつけたこと)
ファンファンファン(パトカーの音)
そのユニークな発想力、天才だなって毎回うなります。
また、森繁ちとせとクラスメイトの戌井うみこは「どっちが先に友達出来るか対決」を初等部から7年間競っています。イチカに冷たくあしらわれてショック状態のちとせを、憎まれ口を叩きながらも慰めようとするうみこ(10話)。それもう親友じゃん……という百合ップルにニヤニヤしてしまいます。
そんなうみこはSNSで一人で複アカウント作ってますし、大股開きで「私の股間ももぞもぞしてくれ…!!」と叫ぶ婦警さん(※大の猫好きで、猫に向かって言ってます)、もうみんな残念感のただようダメっぷりが愛おしい。キャラクターは長所じゃなく、欠点こそが愛される要因になるってことなんでしょう。
キャラよし、ギャグよし、すべての回がハズレ無し。桜井のりお先生にしか出せないユーモアの塊がここで味わえます。
©桜井のりお/秋田書店