2018.08.27
【日替わりレビュー:月曜日】『エスケープジャーニー』おげれつたなか
『エスケープジャーニー』
おげれつたなか先生の名作BLが先日、ついに完結しました! 本作『エスケープジャーニー』は全3巻。
今回はその第1巻をご紹介してみたいと思います。
高校生の時に付き合っていた太一と直人ですが、付き合い始めてからは喧嘩が絶えず、ついに別れてしまいます。その別れ方ときたら派手というか、傍から見ればただの売り言葉に買い言葉としか言いようのない口喧嘩での決別です。
しかし付き合っている当人にしてみれば「性欲処理の相手だと思ってた」みたいなことを言われたら、脳みそが瞬間沸騰しても仕方ないとは思います。私だって当事者だったら間違いなくブチ切れます。
そんなひどい別れ方をした彼らですが、なんと大学に入学して再会。しかも流れで、友人付き合いをせざるを得ない状況になってしまいます。
高校時代のことを思いっきり引きずっている直人ですが、太一は大学生になって少し成長しており、もともと好きだったこともあって焼け木杭に火がついた状態に。結局また友達から恋人へとステップアップしてしまいます。
しかし人間の性質が数年やそこらで激変するはずもなく、また喧嘩が絶えなくなる二人。友人の女子学生が太一に思いを寄せていたりと、女性キャラもしっかり登場してきます。男二人と女一人の三角関係です。
友達同士だとなにかが足りない。
でも恋人になると喧嘩ばっかりになってしまう……。
友達でも恋人でも、うまくいかない太一と直人。でも好きで離れがたいジレンマ。
女の子と恋愛すれば、その先には結婚があって──家族になれる。でも太一と直人は男同士です。好きで一緒にいたい。それだけのはずなのに、その関係に名前を付けられないと悩むのです。
言葉で表せる関係がうまく構築できないもどかしさにもがく、学生たちの眩しい青春よ─ー!!!
たまりませんね。
1巻のラストで、高校時代の売り言葉に買い言葉だった喧嘩の件は和解し、元鞘でめでたしめでたしと綺麗にまとまっています。
この先、彼らの関係がどう変化していくのか。くっついただけではこのシリーズは終わりません。
どうなるんだ!? という方は是非、続きに手を伸ばしてみてくださいね。幸い、完結しているので一気に最後まで読めます!
肌色シーンはしっかりがっつりありますので、そっちも十分に楽しめること間違いなしですよー!
©おげれつたなか/リブレ出版