2018.10.08
【日替わりレビュー:月曜日】『サハラの黒鷲』五月女えむ
『サハラの黒鷲』
最も淫靡な寝物語、始まる──。
と帯にもあるように、着衣シーンが控えめな作品となっております。
タイトルにサハラとあるので舞台はアラブっぽいですが、いわゆる受が攫われてアラブの富豪にオークションで落札されて──という王道パターンではありません。
カップリングは、
(魔性の精液を持つ)調教師×(血気盛んな若き)奴隷商人
という、突っ込み待ちですね!? と言わんばかりの組み合わせとなっております。
天然媚薬持ちの調教師とかもう天職なのでは? という攻様ですが、もちろん生まれつきこの仕事だったわけではなく、雪国の元王族だというではありませんか。高貴な生まれのはずが、なんでいつの間にか砂漠で調教師とかやってんの!? 人生の変遷がアグレッシブすぎます。
魔性の精液は、王位継承権者として暗殺者に命を狙われまくって毒など盛られすぎた副産物としての体質とのことですが、その毒を盛った暗殺者は、そんな後ろ暗いことをしなくても花街でその毒を売ったらひと財産築いて左団扇で暮らせると思います。
そんな調教師の元に連れ込まれたのが、砂漠の奴隷商人こと黒鷲。商人というか自分が商品なんじゃないですか? という色気を持つ受さんですが、気位が高く、魔性の精液を持つ腕利きの調教師にかかってもなかなか屈しません。そんな黒鷲のことを気に入った調教師は、どさくさにまぎれて依頼主から黒鷲をゲット。
依頼主に痛めつけられている黒鷲をかばったことで、調教師は傷と黒鷲の心を手に入れたのでした。
当て馬として出てきた落ちぶれた王族の元依頼人は、最初から最後まで分かりやすくクズで、最後は買い取ったマダムに強制連行されていきました。というか、奴隷として売り飛ばされた分際であれだけ好き放題やってたの!? と驚きます。
要所要所にあるページ多めで濃厚なお洋服がいらないシーンは、まさアラブの面目躍如というところでしょうか。無理やりから合意までの流れが存分に楽しめる仕様となっております。全体の半分くらいが肌色シーンくらいの感覚です。存分にお楽しみくださいませ♪
©五月女えむ/ジュネット