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2018.10.12

【日替わりレビュー:金曜日】『明日、ナイショのキスしよう』菅田うり

『明日、ナイショのキスしよう』

菅田うり先生による『明日、ナイショのキスしよう』の第1巻が発売されました。

高校デビューってあるじゃないですか。それまで地味だった子が、一念発起してイメチェンして、一気にスクールカーストの階段を駆け上がるってやつ。本作は、そんな高校デビューを逆手に取った、”逆デビュー”に挑む女の子が描かれます。

オンラインゲーム仲間で、中学の終わり頃から付き合い始めた優刀さや。同じ高校に進学し、迎えた入学初日……なんと、それまで地味だった優刀が、イケメンになって目の前に! 彼氏がイケメンになったら普通は嬉しいのですが、あまりの優刀の人気ぶりに、女子からやっかまれることを恐れたさやは、付き合っていることをヒミツにしようという考えに至ります。けれどもそのアプローチが変だった。

普通にしていればいいものを、なぜかメガネをかけて、オタクっぽい喋り方をする謎キャラになり……というラブコメディー。

元々彼氏の優刀はかなり地味な風貌だったのですが、髪の毛を切ってコンタクトに変えたら、上玉のイケメンになったというわかりやすい変身っぷり。一方のさやは、明るくスクールカーストでもそれなりに上位にいたのですが、周りを気にしてしまう性格が災いして逆デビューをすることに。

中学までは同じくらいだった階層が、高校では全く異なる状態になってしまったというのが、色々なトラブルを巻き起こす要素となります。表向きはそんな所属の2人が、裏では対等に付き合っているという面白さと、それを必死に隠すドキドキ感が見所と言えるでしょう。

表向き、恋人として過ごせなくなってしまった2人ですが、元々オンラインゲームでチャットをしながら遊んでいたので、恋人としてのサイクルが壊れるワケではありません。むしろ日中そういうことが出来ない分、チャットで工夫してイチャコラしたりするものだから、逆にそれがエロいっていう。モニターに向かってキスするとか、なんか恥ずかしいことを話したりとか、想像力を掻き立てる描写が絶妙なんですよ。

また元来地味で優しい性格だった優刀くんですが、イケメンに生まれ変わったことでそれが自信につながったのか、それまでとは違ってやたら積極的だったり、イタズラな空気を出してみたりと、学校でのポジションが行動にも影響を与えるんだな、と妙に納得してしまう描写も。

ちなみにカーストだ逆デビューだと、ネガティブな表現を使っていますが、例えば目をつけられていじめられるとか、異様に性格の悪いライバルだとかいうのは全然無く、手に汗握るスリリングな展開とは無縁です。もちろんドキドキするシーンはあるのですが、それはどちらかというと過度に心配しすぎたヒロインが、独り相撲で空回った結果呼び込んだトラブルというもので、自業自得感=コメディ要素が強いのがポイント。

菅田うり先生の単行本はこれで13冊目らしいのですが、これまでの作品の中で一番好きかもしれません。オススメです。

試し読みはコチラ!

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この記事を書いた人

いづき

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