2018.10.22
【日替わりレビュー:月曜日】『俺をイライラさせないでくれ准教授』厘てく
『俺をイライラさせないでくれ准教授』
大学生×准教授という年下攻のカップリングとなっております。
まったく本編には関係ないのですが、准教授より一昔前の「助教授」という方が言葉に色気があるような気がしてしまう昭和生まれです……。
好奇心旺盛でふわっとした雰囲気の心理学の准教授に、なぜか興味を持たれてしまった学生・秦くん。
幼少期のトラウマをこじらせて常にイライラしてしまう人間(特に女)嫌いの秦くんは、本当に感情のコントロールが下手くそです。もしかしてイヤイヤ期がエンドレスで続いているのでは? と言わんばかりの残念なセルフコントロール力で、よく大学生まで無事に生きてこれたね……と驚くレベルです。
そんな彼に声をかけてきたのが、心理学の准教授なのですが、好奇心旺盛で美形でふわっとした雰囲気で、とにかくつかみどころがないキャラなのです。端的に言ってよくわからん! 君はいったい何がしたいんだ!? ってなります。
突然、学生に襲いかかられてものほほんとしているし、怖がっているようで逃げないし、どんなにイライラをぶつけられてもなぜか離れていかない。それどころか、自分にイライラをぶつけてくる秦と付き合ってると思っているのです。それでいて魔性の受というほど色気がダダ漏れしているわけでもないという……。これはもしかして天然というやつなのかもしれません。
タイトルは「俺をイライラさせないでくれ准教授」ですが、「僕にイライラをぶつけないでくれ秦くん」でもおかしくないんですよね。だってちょっと気になる学生に声をかけたら、いきなり押し倒されるわ八つ当たりされるわ、好きになる要素がいったいどこに!? という感じなんです。
このお話は秦くんが准教授と触れあっていくうちに変わっていくところが面白いので、秦くんメインで追いかけた方が楽しめると思います。つかみどころのない准教授に少しずつ絡めとられていく、乱暴である意味純粋な秦くんの戸惑いながらの変化をお楽しみください♪
最後は、ある程度丸くなった秦くんと准教授のラブラブもありますので、当然ですがBL的にも美味しい1冊となっております。
©厘てく/芳文社