コミスペ!

SHARE

2018.11.16

【日替わりレビュー:金曜日】『乙女の放課後』安理由香

『乙女の放課後』

『センセイ君主』が完結したのって、もう1年以上も前なんですね。以来、別マ・マーガレット系列の年上メガネ男子成分がかなり薄くなっていたわけですが、ここにきてドンピシャのキャラクターが入荷されてまいりましたよ。

それがこちら、『乙女の放課後』夏目先生です。

物語の主人公はハーフの美少女・乙女。そんな見た目ですが、日本育ちで英語はてんで苦手。かわいいので男子からもてはやされる一方、女子からは誤解されがちで、人付き合いに悩みを抱えていました。

そんな彼女が出会ったのが、英語教師の夏目先生。クールで近寄りがたい雰囲気の先生ですが、いざ話してみると動物好きで、生徒への面倒見も良い優しい先生で……。いつしか乙女は、夏目先生に惹かれるように……というお話。

美少女主人公もそう珍しくなくなってきましたが、ハーフのヒロインってのは結構珍しいのでは。ヒロイン・乙女ちゃんはハーフのテンプレ的に美少女。けれども英語が苦手で、「ハーフって英語得意なんでしょ?」という、勝手に抱かれるイメージに大層苦しんでいます。

またその外見から、女子からやっかまれることもしばしばで、こんな見た目でありながら、自分に自信が持てずに、心もふさぎこみがち。またその悩みを誰かに言おうにも、それすらもやっかみの対象になってしまうわけで、なんとも悪循環という。

そんな彼女が興味を持つのが、変人だけれども面倒見の良い英語教師・夏目先生。乙女の「ハーフで美少女」というスペックに十分対抗しうる、「東大出身」というハイスペックっぷり(作中ではT大となってますけれども)。

動物好きという共通点もさることながら、双方わかりやすいスペックの持ち主であるため、互いに誤解や偏見にさらされがちという部分でも、通じあえるものがあるのかもしれません。しかも変に高いプライドを持っていたりということもなく、乙女のように英語が苦手な生徒にも優しく指導してくれます。その誠実さたるや、高学歴という設定がなかったとしても、十分魅力的なくらい。

この夏目先生、誠実で優しいんですけれども、なんというか優しすぎて脇が甘いんですよ。そんな言葉かけられたら、そりゃあ生徒は好きになっちゃいますよ……みたいな発言や行動がちょこちょことあるんですよね。それも無自覚に、精一杯元気づけたりフォローしようとしていたりと、ただただ真っ直ぐな気持ちで、下心なんて一切なさそうなのがまた罪なところでして。

インテリ特有の小賢しさが皆無なので、異様に親しみやすいんですよね。乙女はまんまとそれにハマっちゃうわけです。しかし夏目先生は一切乙女のことを意識していないようで、乙女の恋路はなかなかに険しそう。人間よりも動物の方が好きそうなので、教師と生徒という関係以前に、一人の人間として攻略難しそうだなっていう。

はてさて、なかなか難しい相手を好きになってしまった乙女の恋の行方やいかに。王道路線の教師と生徒ものの登場に、胸踊らせています。

試し読みはコチラ!
 

この記事をシェア!

この記事を書いた人

いづき

このライターの記事一覧