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2018.02.17

【日替わりレビュー:土曜日】『あえじゅま様の学校』鈴丸れいじ

『あえじゅま様の学校』

あえじゅま様の学校

主人公は20歳のフリーター。
ある日バイト仲間に酒で酔いつぶされ、見知らぬ山奥の村へと誘拐された不幸な青年だ。
村には学校があり、同じように全国各地からさらわれた男女が24人、「生徒」として通えと命じられる。
わけもわからず教室に入った被害者たちだが、そこで待ち受けていたのはさらなる混乱と恐怖だった。

「クラスメート」のなかに、怪物がいる。

例えではない。
巨大な虫あるいは爬虫類のなりそこないのような醜い身体に、ぬめぬめと粘着質の皮膚。大きくタテに割けた口。位置がふぞろいな眼球。
正真正銘のモンスターだ。

村から逃げ出そうとした「生徒」の1人は怪物にむしゃむしゃと喰い殺され、残る23人は危険な境遇を突きつけられる。
どうやら自分たちは、山の神として村人に崇められる人喰いモンスター「あえじゅま様」に楽しいスクールライフを体験させるための同級生役としてキャスティングされた、事実上のイケニエらしい――。

以上が、少年ジャンプ系列のWEBマンガサイト「ジャンプ+」で連載中の『あえじゅま様の学校』(鈴丸れいじ/集英社)の大筋である。
無邪気で親しみやすい性格だが、ふとしたきっかけでためらいなく人間を殺傷する化け物にビクビクしながら仲良しクラスメートを演じる人々の姿が作品のテンションをうまく持続させている。
ある者はこびへつらって生き延びようとし、またある者は面従腹背でひそかに脱出計画を練るなど、同じ状況の中でさまざまに描かれる行動と人間心理が見どころだ。

さらに、ドラマのスケールが閉鎖環境の内側だけで完結するわけではないのも面白い。
誘拐やあえじゅま様の存在はわりと早い段階で発覚して全国的な話題となり、警察が事件として捜査を進めるパートが並行する……つまり「村」の謎が、外部から客観的にも追求されていくのだ。
ソリッドシチュエーションなホラーと謎解きサスペンスの趣をかねそなえて、一粒で二度おいしいマンガである。

いったん読みだせば「これからどうなっちゃうの!?」と興味を惹かれ続けて手が止まらないことだろう。

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miyamo

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