2018.12.28

【日替わりレビュー:金曜日】『とろける紬ちゃん』るかな

『とろける紬ちゃん』

るかな先生による『とろける紬ちゃん』の第1巻が発売されました。

主人公は念願の第一志望の高校に合格をしたガリ勉少女・。憧れの高校に入学できたのに、紬はなぜか不満げ。なぜなら、入試で1位になって入学生代表として挨拶をしたかったから……。彼女の夢を阻んだのは、同じクラスの男の子・西尾諒

勉強が出来るくせに、必死に努力している感じはしないし、クラスの人気者だし、自分とは違う彼に、紬の対抗心はメラメラ。勉強だけは絶対に負けない!……と誓うものの、何故か西尾くんはやたらと紬に構ってきて、彼のキョリの近さに勉強どころでは無くなり……というストーリー。

ガリ勉女子、好きです。一所懸命なヒロインって、それだけで可愛くてついつい応援したくなっちゃうじゃないですか。本作のヒロイン・紬は、勉強こそ出来るものの、地はかなり要領が悪く、成績の良さも並々ならぬ努力があってこそのもの。運動も人付き合いも苦手な不器用さんです。紬自身もそのことに自覚的で、何でも出来ちゃうお兄ちゃんに対するコンプレックスの塊という、自分に自信を持てないヒロインです。

そんな彼女に興味を持って、ついつい話しかけてくるのが、彼女より勉強が出来て、運動も出来て、周りからの信頼もあつい人気者・西尾くん。まあいわゆる要領の良いスマートなイケメンって感じなのですが、必死の努力で対抗しようとしてきたり、ちょっとちょっかい出すとワタワタと慌てて赤面しちゃったりする様子がツボなのか、紬に興味を持ってガンガン近づいてきます。

元々男子に対する抗体が無い紬ですから、ちょっと身体が触れたり、優しい言葉をかけられたり、王子様的にフォローされたりすると、全然意識していなくても勝手にドキドキしてしまうもの。西尾くんが狙っているのか狙っていないのか分かりませんが、とにかく紬の心は終始乱されっぱなし。自分に自信が持てない中、彼が肯定的な言葉をかけてくれる、いわば承認をしてくれることで、彼女の心が救われるという構図となっています。

またそれに加えて、彼のなんでも出来てしまうというところが、紬にコンプレックスを植え付けた兄を彷彿とさせる存在であるというというも面白いところ。そういう存在から承認されるというのが大事なんですよね。

さて、イタズラなイケメンにドキドキさせられるっていうだけで、少女マンガ的に(別フレ的に)もう十分オッケーって感じで満足感があるわけですが、肝心の西尾くんの心が全く読めないところが、この作品を「それだけじゃない」と思わせてくれるところ。

だって、紬って別に勉強が学年で2番目に出来るってぐらいで、これといったアピールポイントって無いんですよ。あと西尾くんに対して何か特別してあげてることも無いし、関係としては与えられる一方という感じで。なので、普通に見ていると西尾くんが紬にこれだけしてあげるだけのインセンティブが無いように思えるんです。

さすがに「嘘でした」は無いと思うのですが、そこら辺を2巻以降で具体的に補強することが出来たら、西尾くんからの”承認”は圧倒的かつ絶対的なものに昇華するはず。もはや少女マンガ界で最強の承認力と言っても過言では無くなると思いますので、そのあたりを期待したいところ。

もちろん1巻時点で別フレ的少女マンガとしては十分楽しめる水準となっていますので、そのへんはご安心を。さらにプラスアルファで、ものすごいことになりそうだなというポテンシャルの部分も強調しておきたいのです。こたつに入りながら、このマンガを読んで、心も体もとろけてみてはいかがでしょうか?

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