2019.01.28
【日替わりレビュー:月曜日】『大人で子供で先生で』ナリ
『大人で子供で先生で』
『ファンキーヤンキーベイビーくん』というヤンキー受の作品のスピンオフになります。スピンオフですが、前作のキャラはまったく絡んでこないので、この作品単品で楽しむことができます。
「不良高校の世話焼きヤンキー・井関 × 担任教師・茅根」という下剋上カップリングに、当て馬としてクズ系ヤクザが絡んできての三角関係ものです。
仕事熱心な教師である茅根ですが、プライベートでの生活能力はかなり低めとなっており、そのギャップにキュンとなってしまう不良高校生がとってもかわいいですね。担任が同性に迫られているところを助けたことがきっかけで、二人の距離はぐっと縮まるのですが、そこに茅根の昔の男(ヤクザ)が現れて絡んできます。
このヤクザ、まだ子供だった茅根を賭けの対象にして騙して恋人になるふりで肉体関係に持ち込み、1年後に仲間内で賭けの商品として未成年をマワしてしまうようなドクズなので、茅根はもちろん、井関には近づけたくありません。ぐいぐい迫ってくるヤクザと、茅根とヤクザの関係が気になって仕方ない井関に挟まれて奮闘する茅根ですが、その頑張りもむなしく距離を詰めてくるヤクザと井関の三つ巴状態に。
切った張ったのバイオレンスなコミュニケーションを経て、最終的には情報戦でヤクザを捩じ伏せた茅根の勝利に終わります。井関も入院レベルの刃物傷を負いながらも根性で茅根に告白します。成長して世界が広がったら、今の自分の恋心は勘違いだったと気づくからと、井関の告白から逃げようとする茅根ですが、その程度では井関はひきません。
押して押して押しまくり、最終的に晴れて両想いになることに成長します。
気持ちが通じ合った後も、ちゃんと井関が高校を卒業するまで肉体関係に待ったをかけていた茅根は教師の鑑だと思いました。待てができた井関も偉かったね……。ヤクザが出張っていたせいであまり学園ものっぽい雰囲気はありませんが、甘酸っぱい年の差青春系BLです。最後にはちゃんと両想いでベッドにインしておりますので、BLとして美味しくお召し上がりいただけるはず。
学園ものラブな方におすすめです♪
©ナリ/ふゅーじょんぷろだくと