2019.01.31
【日替わりレビュー:木曜日】『終末のワルキューレ』アジチカ, 梅村真也, フクイタクミ
『終末のワルキューレ』
神と人類のタイマン勝負開始
地上で横暴を極める人類に対し、ある日神々は「人類滅亡」を決定する。その決定を覆すために戦乙女13姉妹の長女のブリュンヒルデが用意したのが、人類史上最強の13人。
13人の神とタイマン勝負をして、勝てば人類は滅亡を避けられる、というブリュンヒルデの提案に神々は「人類が神に勝てるわけがない」と失笑するが、彼女の「ビビってるんですかァ?」という煽りにぶち切れた神々は最終闘争(ラグナロク)を承諾することとなる。神は意外とキレやすかった。
史上最強の人類は、始皇帝や佐々木小次郎、ジャック・ザ・リッパー、アダム、沖田総司、ミシェル・ノストラダムスなどが並ぶ。それに対する神は、ゼウスや釈迦、ポセイドン、毘沙門天、ヘラクレスなどの面々。
ゼウスとアダムがタイマン勝負する。もうこの設定だけで、面白くないわけがないじゃないか。
設定だけはもちろん、美しく迫力のある作画と時折挟まれるコミカル描写、どんでん返しが続く戦いのアツい展開、もうどこをとっても濃密。様々な神の思惑が交差する中、蘇りし人類は久しぶりの闘争に湧きたち、栄光の歴史を背負い互角の勝負を繰り広げる。
一巻からフルスロットルで面白いし、衰える様子もない。
©アジチカ, 梅村真也, フクイタクミ/徳間書店