2020.02.21
魔女な先輩 × クールな後輩が繰り広げる、ニヤニヤがとまらない初々しいラブストーリー!『魔女先輩日報』餅田まか【おすすめ漫画】
『魔女先輩日報』
餅田まか『魔女先輩日報』の第1巻が発売されました。
もうとんでもなくかわいいのは表紙からもうかがえると思うんですけど、それだけじゃない、大人なビターテイストも散りばめつつ、初々しいドッキドキの恋模様を展開するものだから、終始ニヤニヤがとまりませんでしたよもう。
というわけで、まずはあらすじからご紹介。
魔女と人間が共存する社会。不器用だが真摯に生きるOL・魔女先輩に、職場の同僚男子・美園は惹かれていた。しかし「魔女のわたしなんて」という想いから逃れられない彼女は……? 彼女を支配的にコントロールする元カレが戻ってきて……!? 役に立たない魔法と一緒に、都会の片すみで生きる魔女先輩と、クールな後輩くんの純愛ストーリー。
魔女先輩
魔女といっても暮らしぶりは普通の社会人と一緒で、ごく普通の会社でOLとして働いている静。ほうきで空を飛べたり、飲み物を温められたり、重いものを運んだり、何かと便利だけど、それゆえに周囲からの偏見や嫉妬もあり、どこか魔女であることに引け目を感じて生きています。
おとなしく引っ込み思案な性格で、ちょっとだけおっちょこちょいなところが、癒されるけど放っておけない可愛らしさを醸し出しており、そんなところに後輩の美園くんも惹かれている様子。先輩なのに、どこか先輩になりきれない、自信なさげな態度が印象的です。
後輩くん
一方の美園くんは、いかにも現代っ子といった感じの若手社員で、会社の飲み会は平然と断るし、結構臆さず先輩にも物言いしたりするイケメン君。ゆえに静と対峙しても、先輩なのに先輩として扱わない感じが、余計に静の頼りない印象を加速させます。
でもやっぱり若手だからちょいちょいミスしちゃったり、ピンチに陥ったりするんですよね。それを静がフォローしてあげるんですが、そういう時のありがたそうな、けれどどこかばつが悪そうな表情がもうたまらなく可愛いんですよ。それでいて静が困っているときは、率先して手伝ってくれるカッコよさも持ち合わせていたりするので、なんなんですかこの子、完璧か。
あとあたりがきつい序盤から、好きを自覚していくと一気に素直に積極的になっちゃうこの変化もまたいとをかし。何が最高って、こんだけ先輩に対して対等にいこうという感じがある中で、結局先輩のうしろでほうきにまたがってるっていうこの構図。
苦味を加える元カレの存在
この2人がオフィスでラブするだけでも面白そうなのですが、物語はちょっと違う方向に進み、早々に静の元カレが登場し、場をかき回します。この元カレというのが厄介な奴なんですよ。
ものすごく仕事ができるし、外面も良くて周囲の評判も良いのですが、静のことを下に見ている節があり、何かとコントロールしようとする。そのやり口も、巧妙かつ強引で、『凪のお暇』の慎二を彷彿とさせるようなキャラクターです。でも心の奥底ではちゃんと静を好いているっていう。
甘さと苦味の絶妙なバランス
物語はこの3人を中心に展開していくことになるのですが、ふんわりした絵柄に魔女という、甘く可愛らしい雰囲気だけじゃない、ビターな三角関係が描かれます。
甘い、けれど苦い、でも最後にはちゃんと甘い…そんな絶妙なバランス感で、全く飽きさせません。
巻数ついていますが、1巻だけでも結構いくところまでいくので、1巻からもう大満足できること間違いなし。絵柄に惹かれたという方は、読んで間違いなしなので安心してください。
2020年は個人的にドキドキワクワクする新刊が多数登場している印象ですが、本作もその中でもベストに入ってくるぐらい、心に直撃した一作でした。全力でオススメです。
©餅田まか/秋田書店