2020.02.24
餅つき大会がきっかけで急接近した同僚同士のリーマンラブ!『キモチヤキモチ』宮城とおこ【おすすめ漫画】
『キモチヤキモチ』
宮城とおこ先生といえば、コバルト文庫で『ちょーシリーズ』のイラストを描かれていたのが最初の記憶です。
懐かしいのと同時に、BL界でのご活躍もうれしく思っている作家さんでもあります(BLだと『G線上の猫』が最初でした)。
切なく揺れる恋心を描かせたら天下一品! な作風の作家さんなのですが、今回は……割と即物的な関係からスタートする感じのリーマンラブでした。
カップリングは、社内恒例行事の餅つき大会がきっかけで急接近した同僚同士です。
この一文を見て餅つき大会でいったいどうやって急接近……? と思いませんでしたでしょうか。まあ恋愛のきっかけなんてどこにでも転がっているのでそこは何でも良いと思うんですが、このカップル、餅つきの練習と称して下半身で突き合いとかやり始めてたので、あれ? 宮城先生には珍しくギャグかな? と、ちょっと意表を突かれました。
しかも彼らときたら、一発目が公園で、次がトイレ、3回目が会社内と、まともな場所が! ない!!
切なく揺れ動く恋心も確かにあるんですが、舞台設定がアレすぎて切なさが地平線の彼方です。ちなみに攻が焼きもちを焼きまくる相手は、受の餅つきの師匠にして上司である部長です。本当にただの上司です。当て馬の気配すら見えません。
中嶋くん落ち着いて!!!
それ完全に嫉妬する必要ゼロの人や!!!
人間関係の把握も大切な営業、そんなんで大丈夫!? という盲目っぷりです。ほほえましいのですが、やはりもう少し落ち着いて欲しいところですね……。
泉も、最初はなんとなく流されて体から始まった関係でしたが、次第に中嶋に惹かれていきます。
最終的にはもちろんいい感じにくっついてくれるよねという予定調和がちゃんと見えるので、ちょっと無理やりっぽいシーンがあっても安心して読めると思います。肌色シーンはそれなりに多くてがっつりしていますので、そっち方面の満足度も高めです。
シリアスになりすぎずライトに楽しく読めるので、気軽に手に取って萌えていただければと思います。
©宮城とおこ/芳文社