2020.03.14
足圧マッサージでコリをほぐす、フェティッシュお仕事コメディ!『フミさん、ふみふみお願いします。』 ぐう【おすすめ漫画】
『フミさん、ふみふみお願いします。』
コメントつき動画サイトでアニメを見ていると、たまに「ありがとうございます!」という弾幕を目にすることがある。
それは女の子キャラクターに蹴られたり踏んづけられたりする場面に対して、SMプレイのMめいた意味で感謝するという半分冗談のリアクションで、まあ逆に言うと半分は本気でもある(業が深い……)。
今回ご紹介するのは、読者しだいでは全編にわたってその「ありがとうございます!」を言い続けることになるであろうフェティッシュなお仕事コメディ。 2019年春からマッグガーデン系列のコミックサイト「MAGCOMI(マグコミ)」で配信中の『フミさん、ふみふみお願いします。』という作品だ。
主人公は足圧マッサージのセラピストを職業とする女性、学日舎(まなびや)フミさん。身体がバキバキに凝り固まったお客さんを迎えては丁寧にふみふみして健康へ導く、いわゆる“足ふみ”のプロフェッショナルである。
にこやかなスマイルを浮かべたフミさんの足もとで息を荒げて赤面し、あられもない喘ぎ声をあげる男たち。柔らかくも力強い足の底で微妙な筋肉の緊張まで察知して圧をかけるフミさんのテクニックが導く境地はまさに……ヘブン状態!
そして、本作の真骨頂は気持ちいいのがお客さんだけではない点だ。実はフミさん、イケメンの身体をふみつけてほぐす感触に、えもいわれぬ快感を覚えるフェチの持ち主。自分の足でよがるお客さんにこっそりハァハァして、相手が気持ちいいほど自分も気持ちいいという快感のスパイラルを堪能するクセモノなのだ。
そんな疑似セックスめいた変態趣向で笑わせながらも、毎回のお客さんがどんな箇所に疲れをためていて、どんなふみかたをすればどういう理屈で解消するのかという描写はしっかりしているのがポイント。ツボの名前と効能などの豆知識も細かく仕入れることができる。
ふまれる側とふむ側それぞれの視点で、おかしな意味から真っ当な意味までいろんな「気持ちいい」が重なった絵ヅラのテンション高さにつられて、ああ自分もマッサージに行きたいな……! と促される内容になっている。
©ぐう/マッグガーデン