2020.04.27
【インタビュー】『きんいろモザイク』原悠衣「この作品のおかげで自分の世界も広がった」
イギリスからの留学生で、日本人以上に日本文化を愛するアリス。見た目は純和風だけど外国と金髪に憧れる忍。真面目でツンデレな綾。明るくてツッコミポジションの陽子。アリスの幼馴染でどこまでも自由なカレン。
髪の色も性格もバラバラなキャラクターたちが織りなす日英ミクスドコメディ『きんいろモザイク』が、単行本11巻の発売をもって完結を迎えました。
「まんがタイムきららMAX」に最終回が掲載されたときは多くのファンから祝福と悲しみの声が上がりましたが、同時に特別編『Best Wishes.』の連載開始と、新作劇場版アニメの製作も決定! きんモザワールドはまだまだ続きます。
【きんいろモザイクW特報!】
①特別編「きんいろモザイク Best wishes.」
まんがタイムきららMAX7月号より連載開始!!②『きんいろモザイク』新作劇場版製作決定!!!!#kinmosa pic.twitter.com/yPtPQx7TMS
— まんがタイムきらら編集部 (@mangatimekirara) March 18, 2020
コミスペ!は今回、本編の完結を記念して作者の原悠衣先生にインタビューを実施。忍やアリスたちと一緒に駆け抜けてきた10年間を振り返っていただきました。
”やさしい世界を描こう”という気持ちを大切にしていた
──本編の完結お疲れさまでした。今の心境をお聞かせください。
原悠衣先生(以下、原):「本当に終わっちゃったんだな~」という気持ちです。
最終話を描いているあたりでは、特別編もあるのでまだまだ連載中の気持ちだったのですが、最終話が雑誌に掲載されたあと、色々な方に「お疲れ様でした」と言っていただき実感が湧いてきました。
忍たちと一緒に自分自身も卒業した気分に近いです。少し寂しいけれど、すごく楽しかったなっていう気持ちです。
──どのようなきっかけで「まんがタイムきららMAX」で描くことになったのでしょうか。
原:pixivを通して、きららMAXの編集さんから「4コマ描きませんか?」とお声をかけていただきました。ただ、最初はゲスト扱いであることをよく分かっておらず、また新しい雑誌で連載できるんだと勇み足で喜んでしまっていました……。
──第1話と第2話はゲストの位置づけでしたが、正式に連載が決まったときはどのようなお気持ちでしたか?
原:1話の掲載後、読者アンケートの結果が良かったら連載が決まると知って、あまり期待しないでいたら連載させていただけることになりました。あのころ、とにかく連載がしたかったのですごく嬉しかったのを覚えています!
当時アンケートを書いてくださった方々、本当にありがとうございました。応援してくださっている読者さんに支えられてここまで描くことができました。
──『きんいろモザイク』という作品を描く上で、特に大切にしていたことは何ですか?
原:やさしい世界を描こう、という気持ちを大切にしていました。
昔、別の雑誌でストーリーマンガを連載していたころは、「ただほのぼのしているだけではダメ」とよく編集さんに言われていました。
なので作品に重い設定を入れる傾向があったのですが、その反動もあって『きんいろモザイク』では一貫しておだやかな日常を描ききろうと思っていました。だからこそ、私自身も無理せず長く続けられたように思います。
──連載が始まる前と現在とで、ご自身の中で変わったなと思うことはありますか?
原:連載が始まる前は「4コマとかコメディは自分には合わないだろうな」と思っていたのですが、ここまで続けることができたので、ひとつのジャンルにとらわれずに色々試すことは大事だと実感しました。
あと、昔の自分はとにかくマンガのことしか考えておらず、視野が狭かった気がします。とても小さな世界で生きていたので、アニメ化がきっかけで東京に行ったり、イギリス旅行に行ったり、この作品のおかげで世界が大きく広がりました。
これからも、忍たちのように自由にのびのび日々を楽しみたいなと考えています。
©原悠衣/芳文社
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