2020.04.27
【インタビュー】『きんいろモザイク』原悠衣「この作品のおかげで自分の世界も広がった」
2年生編のクラス割の理由とは……?
──想像していた最終回と、実際に描かれた最終回の内容に違いはありましたか?
原:忍たちの卒業で終わるという結末は何となく決まっていたのですが、そこに至るまでの展開には色々な案がありました。その中のひとつに、新しい金髪少女を出すという案がありました。
忍の進路に関わる形で出てくるのですが、アリスとカレンの影が薄くなるかもしれないと思ったのと、大学編を描く必要も出てくるので、新キャラは出さずに突き進むことにしました。描くとしたら、忍に対してツンとした女の子にする予定でしたね。
あとは、穂乃花を綾・陽子・カレンと同じ進路にするかどうかでも悩みました。進路や受験シーンでは色々ぐるぐる悩みましたが、最終回は思い描いた通りの内容にできたと思います。
──お気に入りのエピソードをいくつか挙げていただけますか?
原:わらしべ長者の回が、忍たち5人以外にも勇や穂乃花たちもみんな出てくるので個人的にお気に入りです。あと、綾のポエム回も気に入っています。綾っぽいポエムが思いついたからでしょうか。
ハロウィン回や修学旅行など、みんなで楽しそうにわいわいしている回が好きです。どのお話も、なにがしか思い入れがありますね。
──ご自身の学生生活での出来事が反映されたエピソードはありますか?
原:私自身そんなに充実した学生生活を送ってないので……実体験を反映したエピソードはないのですが、友達と遊びに出かけたり、一緒にお喋りしながら登下校したり、学生時代の楽しかった思い出を振り返りながら描いていたように思います。
あとは、こんなことあったらいいなという理想の世界を描きました。
──2年生に進級した際、忍とアリス、綾と陽子が違うクラスになったのが意外でした。このクラス分けにはどのような狙いがありましたか?
原:これは、2年生になって人間関係に変化を持たせたかったのと、違うクラスになったらどうなるのかな~、という軽はずみな気持ちで離れ離れにしてしまいました。なので、特に明確な狙いがあったわけではありません。
あとになって、結構残酷なクラス分けだったのでは? と少し反省しましたが、1年生のときとは違うキャラの組み合わせが描けたので結果オーライということで……。
また、1年生のころは5人の中でカレンだけが違うクラスだったので、忍たちと一緒にしてあげたいなと思ったのも理由のひとつです。
──きららMAXでの連載以外に、きららフォワードでも定期的に『きんいろモザイク』のストーリーマンガが掲載されていました。同じ作品を4コマ形式とストーリー形式で描き分けるにあたって意識したことはありますか?
原:そんなに違いはないのですが、4コマでは描けない大ゴマが使えるので、シリアスなシーンやまじめなシーンがあるエピソードはストーリーマンガのほうで描いていました。4コマだと、途中までまじめなシーンでもどうしてもオチでギャグっぽくなってしまうので。
もともとストーリーマンガを描いていたこともあり、4コマも描かせていただきつつ、ストーリー形式の『きんいろモザイク』も描くことができて本当にありがたかったです。
忍が「のび太」でアリスが「ドラえもん」
──『きんいろモザイク』の主人公は忍だと思われますが、アニメのキービジュアルなどではアリスやカレンが中心に描かれることも多いです。原先生の中では、どのキャラクターが主人公だと考えていますか?
原:私は、忍とアリスがセットで主人公だと思っています。『ドラえもん』に例えていた読者さんがいらっしゃったのですが、まさにそれで、忍が「のび太」でアリスが「ドラえもん」。
ただ、カレンが目立っていることが多いので、カレンが主人公だと思う方がいても問題ありません。日常系の作品なので、5人全員が揃って主人公という部分もありますね。
──先生が一番描きやすい、動かしやすいキャラクターは誰ですか?
原:カレンです。一番喋って自由に動くので。綾も動かしやすいです。
モノクロの作画で描きやすいのは陽子で、カラーイラストではアリスかなあ、と。忍は暴走しがちなので、描きづらいですが描いていて楽しいです。
──作中で最も成長したと思うキャラクター、反対に良い意味で変わっていないと思うキャラクターは誰ですか?
原:綾は中学時代、高校1年・2年・3年と、内面で一番成長したように思います。
良い意味で変わってないのは陽子です。お姉ちゃんポジションなので。忍は変わってないけど成長してますし、どのキャラも成長した部分があるなあと思います。
──穂乃花と香奈は、初期のころはクラスメイトのひとりという位置づけでしたが、徐々に出番が増えていきました。これは最初から予定されていたことなのでしょうか?
原:全く予定していませんでした。出番が増えたのは、アニメの影響が大きいかもしれません。
アニメ1期の12話、ミュージカルの場面でカレンの両サイドに穂乃花と香奈がいるのですが、それがとても良いバランスだと思って、マンガのほうでもカレンと一緒にいることが多くなりました。
また、高3の夏に新キャラを出さないと決めたこともあって、代わりにふたりの出番が増えました。当初の構想では、イギリスへの卒業旅行には忍たち5人だけで行く予定でしたが、終盤には穂乃花と香奈も『きんいろモザイク』という作品に欠かせないキャラクターになっていたので、穂乃花は晴れてカレンと一緒にロンドン・アイに乗ることができました。
描き続けていくうちに何かが掴めるはず
──子どものころ読んでいたマンガ、今おすすめのマンガは何ですか?
原:「りぼん」、「なかよし」、「少年ガンガン」を読んで育ちました。『赤ずきんチャチャ』、『カードキャプターさくら』、『魔法陣グルグル』、『PON!とキマイラ』や『ARIA』が好きでした。
連載中の作品だと、『ダンジョン飯』や『ニジとクロ』の雰囲気が好きです。今は積読本が多い上に、マンガ家なのにあまりマンガを読んでないと言われるので、もっとたくさん読みたいと思います……。
──絵を描くこと以外の趣味、息抜きの方法などがあれば教えてください。
原:今は掃除や料理が楽しくて、暮らしを充実させるのが趣味です。息抜きは、ゲーム音楽などをピアノで練習することです(めちゃくちゃ下手です)。
──忍と穂乃花に負けないくらい原先生も金髪少女がお好きだと思いますが、好きになったきっかけはありますか?
原:これといったきっかけはないのですが、『テイルズ オブ シンフォニア』のコレットや『明日のナージャ』のナージャのイラストはよく描いていました。昔から、金髪少女もそうですが、色素薄い系キャラが好きでした。
『きんいろモザイク』のアリスは、名前の通り『不思議の国のアリス』もモチーフになっているので、それもきっかけかもしれません。
──TVアニメ公式ガイドブックでのインタビューで、これからの目標は「自分の長所や武器を見つけること」だと仰っていました。現時点で、ご自身の長所や武器はどのようなところだと思いますか?
原:そんなことを言っていたような~……。現在もなお探している途中ですが、いろんな意味でふわふわしたところが私の長所かもしれません。
無理にドロドロしたシリアスな世界を描くよりも、ふわっと笑って楽しんでもらえるような作品を描くほうが自分には合っていて、だからこそ『きんいろモザイク』は多くの方に読んでいただけたのかなと思います。
──『きんいろモザイク』がきっかけできららを読むようになった、きららでマンガを描きたいと思うようになった方も少なくないと思います。これからマンガ家を目指そうとする人へのアドバイスがあればぜひお願いいたします。
原:そのようなお手紙やメールを頂いたことがありますので、私としても恐縮ですが本当に嬉しく思います。
最初は全然思い通りに描けないと思うのですが、私も未だに満足のいくものは描けていません。それでも描き続けていくうちに、本当に少しずつ何か掴めていくものだと思うので、とにかく描くことをやめずに楽しくマンガ制作をがんばってみてください! 私もがんばります。
──来月号(きららMAX2020年7月号)から開始される特別編『Best wishes.』について、お話しできる範囲で内容を教えていただけますか?
原:特別編は、卒業後の大学編というわけではありません。連載中に描ききれなかった高校時代のエピソードが主になりますが、卒業後のお話もありつつ……といった内容になっています。本編に引き続き読んでいただけると嬉しいです!
──次回作の構想などはすでにあるのでしょうか?
原:特別編が終わったあとは、また別の作品を描いていきたいと思っていますが、どんな作品かは考えていません。『きんいろモザイク』で得たもの、培ったものを大事にして、ジャンルにとらわれずに新しい作品を描いていきたいです。
──最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。
原:最終巻となる11巻、読んでいただけると嬉しいです。また、特別編『Best wishes.』も引き続き何卒よろしくお願いします。
そしてアニメのほうも、新劇場版の制作が決定しましたので、本編の連載は完結しましたが、これからも『きんいろモザイク』をどうぞよろしくお願いいたします。インタビューありがとうございました!
──お答えいただきありがとうございました!
作品情報
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— comicspace / コミスペ! (@comicspacejp) April 27, 2020
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