2020.06.05
親の再婚がきっかけで、イケメンの弟が4人もできました…!?『うちの弟どもがすみません』オザキアキラ【おすすめ漫画】
『うちの弟どもがすみません』
オザキアキラ先生の新連載『うちの弟どもがすみません』の第1巻が発売されました。まずはあらすじ紹介から。
高校1年生も終わる春休み、糸は、母親の再婚で引っ越しをすることに。だけど、弟が4人もいるなんて知らなくて、超びっくり! 新しい家族と仲良くなろうと一生懸命がんばるものの、長男・源はなんだか不愛想……。でも、クールな表情の裏側に、優しさが見え隠れしてきて……?
弟が4人も
親の再婚がきっかけで、イケメンの兄弟ができました……ってのは、『ママレードボーイ』はじめ少女漫画の王道ではありますが、それが一気に4人ともなると、道は2つ。
逆ハーレムの良い意味で意識低いラブコメの道を進むか、『お兄ちゃんと一緒』よろしくホームコメディ寄りにの道を進むかですが、本作はベースはファミリーもので、その中で王道の少女漫画的恋愛要素を落とし込んでくるといった感じでしょうか。
オザキアキラ先生の作風として、ド直球の少女漫画からは少しズレたノリの良い適度なおふざけ感というものがありますが、弟が4人という圧倒的なワチャワチャ感は、その作風ととても相性が良いように感じます。
頑張り屋のヒロイン
主人公の糸は高校2年生。母親を支えてきたという経歴と自負があり、年齢的には兄弟の中で一番上ということで、頼れるお姉ちゃんとして振る舞おうと頑張るのですが、身長もちっさいし、性格も単純というかとても無垢で空回りしがちなので、どちらかというと支えてあげたくなるように兄弟からは映るようです。
とはいえ家事スキルは実際に相当高く、早々に弟たちの胃袋と心を掴みます。これまで母を支えることに一生懸命だったため、恋愛とは縁遠い状況。いつでも誰かのために頑張る姿が、なんとも愛らしいヒロインです。
タイプの違う弟たち
兄弟たちは、上から高2、高1、中3、小3と、結構年齢の幅は広めでございます。
小3の類はとにかく人なっつっこくて、家族のアイドル・マスコット的存在です。変わったところもありますが、とにかくかわいい。
中3の柊は引きこもりで全く部屋から出てこず、1巻では1コマしか登場せず。伏線というか、今後に向けての飛び道具といったところでしょうか。
次男で高1の洛は、その言動から一見長男のようにも映るスマートメガネくん。たぶん家族の状況を一番冷静に俯瞰で見れているのが彼で、今後様々なトラブルや恋愛イベントで、あれやこれやとちょっかいをかけてくることでしょう。
そして長男が、糸と同い年の源。とっても不愛想で糸への当たりも強いのですが、実は結構家族思いで根は優しいという、愛情表現が下手な不器用さんです。
恋愛ものかファミリーものか
揃いも揃ってイケメンばかり4人なんですが(三男はわからんけど)、相手役候補は同じ学年の源ぐらいで、他は完全に脇役というか、家族的立ち位置となってます。なので逆ハーレムでどうしよう……的な展開はありません。
相手役が同居人だと、正直もう物理的な距離だとか、積み重ねた時間だとかが上回るような男の子じゃないとライバルとして太刀打ちできないわけですけど、1巻では幼なじみなんて登場してないし、そうするともう弟たちから出てきてもらうしかないんですよね。
ただここまで1巻を源で匂わせておいて、他がマクれるだけのポテンシャルがあるかというと、正直微妙。そういえば前作『ふしぎの国の有栖川さん』もライバルらしいライバルは出てこなかったし、立ちはだかった壁は家族だったりもしたので、本作もそうなるのかもしれませんね。ともあれ現時点でホームドラマとして盛り上がるための要素には事欠かず、実際そちらで盛り上がりを見せているので、恋愛はさておきしばらくはそちらで楽しめそうです。
©オザキアキラ/集英社