2021.11.08
大学生同士のカップリングで、執着攻と爽やか純真受という組み合わせ。闇堕ちしそうになりそうな展開にもドキドキする、青春ラブ!『手を伸ばしたら、つばさ』山田 ノノノ【おすすめ漫画】
『手を伸ばしたら、つばさ』
大学生同士のカップリングなんですが、執着攻と爽やか純真受という組み合わせなので、ちょっと陰のあるシリアスみたいな雰囲気になっています。
力良は子どもの頃から「人間が鳥みたいに飛べるようになればいいのに」と夢見ており、その夢を実現すべく研究をしている大学生です。教授にも認めてもらえず現実は厳しいですが、諦める気配はありません。
一方、最近同じ研究室に編入してきた里見は、抜群のコミュ力と能力であっという間に周りに溶け込み、将来を嘱望されています。力良の向かいのマンションに住んでいるのですが、ある夜、力良は窓から里見の背中いっぱいに刺青が入っているのを見てしまいます。
その刺青の美しさになぜか下半身が反応してしまったうえに、その背中の秘密を知ったことがあっさり里見本人にバレてしまい、そこから二人の距離は急速に縮まっていきます。
力良の研究を里見が手伝い、アプローチを変えることで教授にも認めてもらえるようになっていきます。すべてがうまく回り始めたように見えますが、里見が幼い頃から抱えてきた闇はそう簡単に晴れるものでもなく、力良が美しいと褒める刺青も、里見の中では親に借金のカタに売られた証でしかないのです。
「普通」の皮を被って生活して力良と恋をして──と、途中まで里見も頑張っていたのですが、ちょっとしたきっかけで「普通」からはみ出してしまう自分を自覚して、力良から身を引こうとしてしまいます。
普通ではない自分を力良から引き離そうとする里見と、普通である必要があるのか? と里見に問いかける力良。
それぞれがちょっと世間からは外れたところにいる2人だからこそ、惹かれ合ったのかもしれません。里見が抱える心も傷が、力良と過ごすことで癒されていくと嬉しいなあと思います。
追いつ追われつで最終的にはちゃんと恋人になって終わりますので心穏やかに彼らのちょっとダーク面のある青春をお楽しみください。肌色シーンはけっこうしっかり全体にありますので、BL的な萌えもばっちりですよ!
©山田ノノノ/新書館