2018.08.21
【日替わりレビュー:火曜日】『恋愛ハーレムゲーム終了のお知らせがくる頃に』緋賀ゆかり,竜騎士07
『恋愛ハーレムゲーム終了のお知らせがくる頃に』
僕らにモテモテのドリームを見させてくれる恋愛シミュレーション、面白いっすよね。『ときめきメモリアル』から『アマガミ』に至るまで古今の名作ギャルゲーは、寝食を忘れてプレイしてしまいます。
さて複数のヒロインが登場するギャルゲーの場合、選ばれなかったヒロインたちはどうなるんでしょうか? ひっそりとフェイドアウトして存在すら希薄になる『ラブプラス』のような流れがだいたいのパターンです。ニトロプラスの『君と彼女と彼女の恋。』は、そのアンチテーゼとも言えるシステム(ヒロインを2人に絞り“どちらを選ぶか”の二者択一にした)を内包して話題になりました。
そしてこの『恋愛ハーレムゲーム終了のお知らせがくる頃に』では、選ばれなかったヒロインは地獄に落とされます! ひ、酷い……。
悪魔ゼパフルは、平凡な高校生・アスナロに受けた恩に報いるべく、彼にモテモテになる魔法をかける。
ある日から突然、正統派美少女、黒髪クール、巨乳ハーフ、ロリっ子……様々なタイプの美少女に言い寄られて、楽しい学園生活を送ることになったアスナロ。
ところが彼女たちは、アスナロに選ばれなかったら否応なく地獄に引きずり落とされるデスゲームに参加させられていた……!!
マンガでは一大ジャンルになっている「デスゲーム」作品。それをギャルゲーのヒロインたちで行う。命がけで主人公のハートを射止めるという奇抜な切り口に、そういうのもあるのか!と一本取られた感じ。
ところが現時点では、デスゲーム的な展開にはなっていません。ライバルである女の子同士が早々に共闘。古和田セリカは、全員が地獄に落ちないように、悪魔の目的を阻止しようと画策します。敵はライバルのヒロインではなく、ゲームマスターたる悪魔ゼパフルという構造。
原作の竜騎士07先生つながりで、『うみねこのなく頃に』のベアトリーチェと右代宮戦人の関係性と同じなんですよね。知略の巡る駆け引きが気になります。
セリカたちヒロインも個性的で、その会話だけでも楽しめるんです。キャラの立て方も竜騎士07らしく超一級。
作画は緋賀ゆかり先生。ギャルゲーを模したテーマにピッタリの可愛い絵柄が、視覚に入るだけでニヤニヤしてしまう。しかもラッキースケベイベントもあるし! 『恋愛ハーレムゲーム終了のお知らせがくる頃に』、いろんな角度から楽しめますよ。