2019.04.15
ルールはイかせないこと、挿入しないこと、そして、絶対に恋に堕ちないこと。『シャングリラの鳥』座裏屋蘭丸【おすすめ漫画】
『シャングリラの鳥』
男娼ものBLです!
オーナーの庇護の元、小鳥と呼ばれる男娼たちが日々楽しく性を謳歌し客を取る娼館「シャングリラ」。ここでは客より男娼が偉い。気に入らない客はつまみだされるし、男娼がNOと言えば即出禁にされるという徹底ぶりです。オーナーは儲け度外視で、100%道楽の勢いで男娼たちを溺愛しております。お金があるというのは素晴らしいことですね!
そんな楽園シャングリラに、男娼たちのメンテナンスに雇われているのが「試情夫」と呼ばれる男たちです。男娼たちを愛で、気分を上げたり乗せたりと、心身のケアを担当するお仕事です。
試情夫のルールは3つ。
『男娼をイかせないこと』
『挿入行為はしないこと』
『絶対に恋に堕ちないこと』
商品のメンテがお仕事なので当然ですよね。というかルールこれだけなのかよ……というレベルです。そして、世の中ダメと言われたらやりたくなる人間がとても多いですよね。
商品に手を出しちゃダメ、親御さんからお預かりしている生徒に、彼らを教え導く側の人間が手を出すなど言語道断──のはずなのに、教師と生徒のカップルが結構出来上がってしまう現実を鑑みるに、これら3つの禁止行為はきっと破られるために存在するんですよね!? という期待が膨らむばかりです。
諸事情によりメンタルボロボロで金も必要になったノンケのアポロは、現実逃避兼、手っ取り早く金を稼ぐために試情夫としてシャングリラに就職します。なにしろノンケなので、男娼のメンテナンスと言っても具体的にどうするのかイマイチ把握できていないアポロは、研修期間は複数を相手にせず、フィーという奔放な男娼を専属として付けられて仕事を仕込まれることになります。
ぎこちなく男を愛撫するアポロと、男相手は慣れなくても女性の身体の扱いはしっかり知っているアポロに興味を持っていくフィー。巻数表示があることからもわかるように、シリーズになるであろうこの『シャングリラの鳥』。色々とフラグが立ちまくっていますが、実際にお話が大きく動くのは2巻以降になりそうです。
過去にストリートチルドレンとして荒んだ生活をしていたフィーは、毛色の違うアポロに惹かれていくんだろうなとか、疲れ切っていたアポロはシャングリラで働きつつフィーに癒されながら、そのうち本気で好きになって一線を越えちゃうのかなとか、1巻を通して読んでいく中で妄想が膨らんで大変でした。
この先の展開に妄想をはかどらせつつ、期待度MAXで次巻を待ちたいと思います。
©座裏屋蘭丸/プランタン出版