2018.02.25
【日替わりレビュー:日曜日】『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』船津紳平, その他
『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』
『名探偵コナン』とともに、一大探偵ブームを引き起こした『金田一少年の事件簿』。
行く先行く先で凄惨な殺人事件に巻き込まれるIQ180の高校生(名探偵、金田一耕助の孫!)が「じっちゃんの名にかけて!!」という名台詞とともに謎を解くという話で、堂本剛主演による(初代)ドラマの印象が強い人も多いのではないでしょうか。
毎度事件にまつわるトリックが凝っていて、犯人の通り名も「地獄の子守歌」「放課後の魔術師」などなんだかドキドキするネーミングが並びます。
でも、推理モノマンガを読んでいると気になりますよね。
「現実でこんなトリックする人いるわけない」
「え、この仕掛けどうやって準備したの? 市販してなくない?」
「大胆不敵過ぎない?」
という、ツッコミ箇所……。
しばらくするともはやデフォルトがわからなくなるので、そのツッコミはしなくなるのですが(そもそもこんなに事件に出くわさなくね? なんてのは野暮なもんです)、時を超えてまさかの犯人視点のスピンオフとして登場したのがこちら。
少年マガジン公式アプリ「マガポケ」で連載していましたが、SNSを中心に各地で話題となり、週刊少年マガジンにて出張短期連載するほどに。2月16日に2巻も発売したばかりです。
個人的にはスピンオフ作品には当たり外れが大きいのですが……これがまあ最高に面白いんです!!! 思わずマガポケ課金。
懐かしさを感じる連載当初の絵柄、絶妙な小回り、犯人たちのトンデモ思考から、トリックの裏話etc……。なにより話のテンポが小気味良い! セルフツッコミでさくさく物語が進み、もはやすがすがしい。各事件も2、3話でまとめられていて、気持ちよく読めます。
どの事件もおすすめなのですが、雪夜叉伝説殺人事件は犯人視点が入ることで、更に伝説となりました……。
犯人視点から事件を見ていると、この事件、謎解き視点(金田一サイド)はどんな感じなんだっけ……? と、改めて本家の『金田一少年の事件簿』を一気見したくなるのもニクい。
また、2018年1月から『金田一37歳の事件簿』として、37歳になった金田一(少年)が謎解きに挑む新連載が始まりました。連載から26年、金田一ブームが巻き起こっている予感がします……!
©船津紳平, さとうふみや, 天樹征丸, 金成陽三郎/講談社