2019.12.18

「メスガキ」はバカにしているんじゃなくて、生意気少女への憧れの言葉『生意気なメスガキに大人が負けるわけないだろ!アンソロジーコミック』【おすすめ漫画】

『生意気なメスガキに大人が負けるわけないだろ!アンソロジーコミック』

「メスガキ」はバカにしている言葉じゃなくて、生意気少女への憧れの言葉

ここ2年くらい、オタク界隈の超一部で使われている単語に「メスガキ」というものがある。本来の意味は女児を目下に見てバカにしたひどい侮蔑語なので、決して人前で言える単語ではない。

しかし現在ネットなどで使われているこの単語は大きく意味が異なっている。

非常に生意気で、自分の性的魅力を武器に大人を翻弄し、自分が優位になる賢さを持っている、小悪魔を超越した属性のことだ。

男好きなのではなく、成人男子を手のひらの上で転がす、というのがポイント。

この作品集はタイトルこそ成人が強引にマウントを取る強気な発言に見えるが、少女にはどの作品でも絶対に勝てない。ニシシと笑う女の子たちに弱みを握られた成人男子たち。力で子供に勝とうとするものの、逆手に取られてバカにされ、人生ごと握られてしまう展開の連続だ。

100%M向け。R18ではないが、かなり際どい性表現が続出する。

山畑璃杏先生による「搾取する少女」では、お嬢様学校の女児2人が、27歳男性を電車の中で痴漢の冤罪に引っ掛け、それを武器に金をせびるようになる。男性側は奴隷扱いされる日々に耐えかねているものの、弱みを握られいるので逆らえない。

そこで2人が寝たところに仕返ししようとするが、逆にさらなる性犯罪まがいの弱みを握られ、彼女たちに敵わないことを思い知らされてしまう。

Yukian先生の「ずっと見守ってる」では、家庭教師をしている大学生の男性が登場。素直な教え子の少女がSNSでの人気者と知り、先生の自分はネットリテラシーを教えなければいけない、と妙な使命感を抱いてしまう。

少女に会うため彼は変装をしてカラオケボックスに入るものの、普段は優等生な彼女がスカートの中を見せてきて驚愕、彼はつい襲ってしまう。でもそれは全てバレバレ。少女は彼が変装していたのも、襲ってくるであろうことも見抜いて、転がしていたのだ。もちろん大学生側はこの事実を他の人に言えるはずもない。

作中の成人男性たちは、少女に対して「大人」というだけでマウントをとり、あまつさえ手を出しかけているので、ほとんど同情の余地がない。だからこそ読者側は素直に、小悪魔な少女たちのタフな魅力を楽しめる。

強い少女に社会性も人生も握られるのは、人によっては二次元世界では最高のご褒美。登場する女児たちには複雑な家庭環境設定などが一切ないので、シンプルな属性としての「メスガキ」を堪能できる。

こんな少女は絶対にいない、ファンタジーな存在。オタク界隈で使われる「メスガキ」の語が侮蔑語ではなく、成人男性から見た理想の偶像少女としての意味合いを持つのがわかると思う。

ちょっとでも「メスガキ」的な存在にエロティシズムを感じたら、かわいさの面でも性的な部分でも安心して楽しめる作品集だ。

大体の作品のラストは、女児に屈服させられて終わる。これがバッドエンドなのかハッピーエンドなのかは、読む人次第。

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たまごまご

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