2020.01.27
純情ビッチ受が好きなら読んでて間違いない三角関係BL!『それは、甘くて苦い。』こん炉【おすすめ漫画】
『それは、甘くて苦い。』
属性違いのふたりがくっつく、ある意味王道のBLです。
カップリングは、「強面なカフェ店長 × 初めて恋を知った野良猫ビッチ」という純情ビッチ受仕様となっております。
カフェの店長をしながら姪っ子の面倒を見ている芳春は、実は密かに姉の夫に想いを寄せていました。自分の気持ちをひた隠しにしながら、近くに居られるだけで満足しようとしていたのです。
そんな彼の前に現れたのが、自分を好きだというカズムでした。彼氏に殴られて行き倒れていたところを偶然、芳春に拾われるのです。
カズムはすぐに芳春が義理の兄に気持ちを寄せていることを見抜いてしまいます。そしてこのタイミングで、側にいてくれるだけでよかった義兄は、姉が仕事で赴任している海外に移住しようと思うと言ってきます。揺れる心につけこむように、カズムは半ば強引に芳春と身体を重ねます。
カズムは、とりあえず身体さえモノにしてしまえば気持ちはあとからついてくると信じていました。芳春の動揺がおさまる前に、気持ちを自分に向けてしまおうと、何度も身体の関係を結びます。しかし、ぜんぜん気持ちが付いてこないことに焦りを感じ始めます。気持ちはいいのに心がついてこないことに絶望してしまうカズム。
一方の芳春も、好きではないのに身体の関係になってしまったことを後悔して、ふたりは一度、距離を置くことになります。
好きな相手に好きになってもらえなかったカズムと、好きな相手の代わりにカズムを抱いてしまった芳春。重なっているようですれ違っていた彼らですが、過ごした時間は裏切らないということでしょうか。芳春はいつの間にかカズムのことが好きになっていたことに、距離を置いて気付きます。
カズムが仕掛けた簡単な罠にはまって義兄に気持ちを知られてしまったあと、芳春は自分の気持ちに気付いてカズムを追いかけます。身体から始まって心が後から追い付いてくる典型といえば典型なこの展開。
先が読めてしまうのに、ちゃんと続きが知りたくてページをめくる手が止まらない感じがたまりません。行動は本当に気まぐれな野良猫のようなカズムですが、根は一途で純情で、そのギャップにそそられます。芳春の真面目すぎる性格にはちょうど良い相手だった気がしてなりません。
救いようがないように見えた三角関係ですが、うまくみんな幸せになりそうな所に落ち着いてくれてほっとしました。
©こん炉/竹書房