2020.03.02
フリーター後輩×32歳女子校生♂先輩男が織りなす、肌色メインの濃厚BL!『先輩は女子校生♂』新井煮干し子【おすすめ漫画】
『先輩は女子校生♂』
新井煮干し子先生は、独特の絵柄と作風でデビュー当時からBL界で異彩を放っていたイメージがありますが、今回は直球の肌色物語でした。タイトルがもうね……『先輩は女子校生♂』なので、推して知るべしという感じですね! 表紙も女子高生の制服が乱れた先輩(男)ですから……。
サークルの飲み会で知り合った謎の先輩・阿南は自主製作AVで生計を立てており、フリーターだった学はいつの間にかその手伝いをすることになっていました。動画の撮影から編集、そしてついに女子高生のコスプレをした先輩と肌色シーンの実践までこなす羽目に!
書いていてもいろいろと混乱する流れですが、読んでいるときも脳内に蛍光色の星が飛び交ってチカチカしておりました。
男二人がバカやっているうちに距離が近づいていくノリがとても好きなんですが、それでも32歳の先輩に呼び出されて家に行ったら女子高生のコスプレした本人が待ち構えていて、そのままビデオ構えてベッドに直行みたいな展開を見せられると3歩くらい引いてしまう未熟者です。
とにかく、基本的に肌色シーンが多く、刹那的に生きる、3歩先の未来も考えてない感じの男たちのノリと勢いだけで日々を食いつぶしているどうしようもない雰囲気が妙に心地よく感じます。
阿南も学もお互いが何となくいつの間にか好きなんですが、甘い告白とかそういうのが一切ありません。基本的に肉体関係が先行しまくっており、メンタル面が体の関係を追いかけるみたいなストーリーです。
あとは先輩が扮する女子高生がクオリティ高いんです。
32歳のくせに16歳を完全にトレースして学に誘いをかけますし、女子高生のまま撮影しちゃいます。32歳が見せる女子高生の恥じらい……。意味わかんないですがなんかどうしてかちゃんと萌えるんですよ。
最後まで男ふたりが目の前のことしか考えずにバカをやり続けて、いつの間にか相思相愛になってましたというだけの肌色メインなBLなんですが、なぜかとても読みごたえがあります。ちょっと毛色の変わった、いろいろなところが濃い作品が欲しい方はぜひ、手に取ってみてください!
©新井煮干し子/茜新社