2020.04.24
アラフォー×アラサーのボーイミーツガール的ぶっ飛みラブコメ!『誰かいい人いませんか?』バラマツヒトミ【今日のおすすめ漫画】
『誰かいい人いませんか?』
バラマツヒトミ先生の『誰かいい人いませんか?』の第1巻が発売されました。
表紙やタイトルからもわかる通り、婚活ものです。
なんか先週も婚活もので、2週連続で申し訳ないんですけれど、あっちがあるあるネタで婚活を嗤う作品だとしたら、こっちは全然リアリティとか追い求めてないぶっ飛びラブコメなので、ベクトル全然違ってるんで大丈夫です! 両方読んでください!
とりあえずあらすじはこんな感じです。
大手出版社の校閲部に勤める北条律(33)は、仕事も趣味も順風満帆。まさにお一人様生活を完全に謳歌していた。結婚など微塵も考えたことのなかった律であったが、世間はそれをなかなか認めてはくれない。そんなある日、妹に焚き付けられて登録した婚活アプリで マッチングした作家の二宮匠とデートをすることに。しかし、作家の二宮にはある秘密があって…
キッチリカッチリおひとり様
最近ドラマや漫画などでスポットが当たるようになってきた、出版社の校閲部。
本作はそんな校閲一筋のアラサー女子が主人公なわけですけれども、この人、校閲部っぽさをかなり肥大・歪曲させたようなキャラでして。毎日同じ時間に出発し、同じ電車に乗り込み、同じ仕事をするなんて当たり前、毎週のお昼のメニューも決まっているし、弁当の中身はすべてキッチリ四角いフォルムに仕上げるという謎のルーティーンまであります。
恋愛結婚興味なし、趣味は小説を書くこと。直観よりも論理やルールを信じる、とにかく堅い女性です。周りの声など気にすることなく生きてきた、ザおひとり様ですが、妹への反骨心から、全く思ってもみなかった婚活アプリに登録することになり、出会ったのはアラフォーの作家。
クズっぷりが清々しいアラフォー漫画家
この相手役の男もまた変わり者でして、作家と自称しているものの、その正体はロリエロ漫画家。
彼女と別れたばかりで、仕事も先行きが見えず、将来への不安が日に日に大きくなってきている中、婚活アプリを通して出会った律を格好の逆玉の相手として認識し、必死の思いで関係を継続させようとします。
律のことを心の中で「ATM」と呼ぶクズさ、自分よりステータスの高そうな人に出会ったら即「負けた」と思ってしまう弱さ、漫画で成り上がろうという思いは微塵もないヒモメンタリティと、序盤からダメ人間っぷりマックス。
会ったその日に土下座しますからね、プライドの無さがすごい。
普通の人ならプロフィールでお断り、ちょっと鈍い人でも会ってみればその人間性からお断りとなりそうなものの、律の人の見る目の無さと、二宮のクズゆえの口の上手さで、なんやかんや2回目以降も会ってしまうという。
ただそのデートも、アラフォー×アラサーというカップリングに似つかわしくない、しょっぱいものなんですよ。ゲーセンとか行ったり。もちろんそこでも色々と問題が発生するのですが、クズの本領は窮地に追い込まれてこそ発揮されるということで、そこで繰り広げられるてんやわんやが面白い。
婚活ものだけど婚活ものではない
ここまで読んでわかったかと思いますが、婚活あるあるとか一切ないです。婚活アプリはあくまで出会うためのツールに過ぎず、ボーイミーツガール的なフォーマットのぶっ飛んだラブコメディでございます。
いや、まぁ、そこにラブは今のところ一切ないんですけれど。
周囲を彩るキャラもなんだかヤベーやつが盛りだくさんなんですよ。無自覚なストーカーとか。なんか2巻ではさらに変な人が登場してきそうで、2巻がどうなるか全くわかりません。正直1巻で少しでもトキメキとかあれば、恋愛ものとしての今後への期待も持てるのですが、清々しいほどないんですよね。これどうするんだろう。
色々な意味で続きが気になる一作です。
©バラマツヒトミ/LINEDigitalFrontier