2020.06.29
飛ぶ鳥を落とす勢いのビッグタイトル!芸能界イケメンパラダイスBL、7巻目を数えてもイケイケです!『抱かれたい男1位に脅されています。』桜日梯子【おすすめ漫画】
『抱かれたい男1位に脅されています。』
2年前のアニメ化のタイミングで1巻のレビューをした本作。
あの当時からすでにかなりのビッグタイトルでしたが、まだまだ勢いは劣れておりません。新刊のオビはノリノリノのイケイケです。
曰く、
「シリーズ累計350万部突破」
曰く、
「令和イチ売れてるBL」
BL業界全体が縮小気味な気配を見せる今日この頃、そんな様子を微塵も感じさせないこの疾走感、最高ですね! 初版部数いくらなんですかって聞きたくなってしまいます(だめですし多分教えてくれません)。
この作品のメインカップルは、作中の女性誌のランキングである「抱かれたい男」の1位と2位が男同士でくっついちゃったというイケメン売れっ子芸能人なんですが、現実世界では桜日梯子先生がBL界のトップスターになっている気がいたします。
7巻目といえば中だるみが起きてもおかしくない巻数ですが、大人の残念な黒事情が交錯する新展開で、他にも新たな楽しみをいろいろとぶっこんできてくれています。
攻のチュン太にほれ込んだ大物ヤクザの孫が芸能界に乗り込んでくるんですが、現代の加工技術に100%生かされているようなぽっちゃり大根役者なんですよ。
デキる受のライバルとして登場した、と思うんですが、当て馬というにも憚れる残念スペックに動揺を禁じえません。しかも上層部の黒い繋がりからくるごり押しなので、現場は白目剥いて卒倒しかけながら、大根のご意向に沿った撮影をするしかないという悲惨な現場が爆誕しています。
ぽっちゃり大根くんが狙うのは、ズバリ、現在も抱かれたい男2位の高人(受)のポジションです。憧れのチュン太と同棲するのが最終目的っぽく、もう公私混同しかしてない彼の残念さが、うざいを通り越してもはやピエロです。絶対に狙って描いてるでしょうこれ……というハチャメチャなキャラです。
ピュアで憎めない性格のぽっちゃり大根君ですが、次の巻くらいでガッツリ〆られる……といいなと心から思います。ぽっちゃり大根くんは別のだれかいい人とくっついて遠くで幸せになってほしいなというのが個人的な希望です!
一方、メインカップルのふたりですが、チュン太の様子がどうもおかしく、高人が一瞬でも(それこそプレイ中の「イヤ=イイ」の「イヤ」でも)NOっぽいワードを口にすると爆発寸前でも行為を中断してしまうようになっていました。いわゆる原因不明のレスです。毎度寸止めを食らう高人がちょっとかわいそうになってきます。
もうひとつのカップルである、できるプロデューサーと、彼と学生時代からつながりのある神懸った音楽家のお話も入っており、読み応え抜群の1冊となっております。ちなみに書下ろしはメインカップルのエプロンプレイ(作中布面積率かなり低め)です。
肌色シーンでもいい感じに萌えを供給してくれる本作、この勢いでどんどん突き進んでいただきたいと思います。
©桜日梯子/リブレ出版