2020.07.13
人の過去と気持ちを読む特殊能力者×同級生の幼馴染で繰り広げる、爽やかなファンタジー青春BL!『青い瞳のばけもの』露がも子【おすすめ漫画】
『青い瞳のばけもの』
舞台は現代なのですが、ちょっとしたファンタジー設定のBLです。
人の目を見ただけで、その人の感情や過去を読み取ってしまう特殊能力者・タツミと、幼い頃その能力に助けられた幼馴染の少年・蛍のカップリングになります。
なにしろ過去もその時の気持ちもすぐに見られてしまうので、蛍はさっさと自分の気持ちを告白しています。
特殊な能力のせいで一族から軟禁されており、事情を知る人からは遠巻きにされて孤独なタツミに寄り添う蛍は、肝の据わったとてもいい奴です。
タツミは基本的に人が嫌いで、自分と同じ能力を持っていた祖父から、一人で生きようとするなと言い諭されますが、なかなか実践できません。蛍以外とは関わる気になれずに祖父が亡くなった後は通っていた大学すら休学してしまう始末です。
それでも、蛍から広がる人間関係に心をざわつかされ、大学に復学したり、以前よりは人と関わるようになっていきます。それと連動して、蛍が自分以外の誰かに興味を示したり親しくすることに嫉妬を覚え、そのことがきっかけで喧嘩をしたりと、割と分かりやすくノーマルな青春を経験していきます。
ちょっとした気持ちのすれ違いと、それが解消されることによって深まる気持ちという、いわゆる雨降って地固まる方式を綺麗に踏襲してくれました。王道の安心感がすごいです。
最初に告白したのは蛍ですが、2人の気持ちを繋ぐ告白をしたのはタツミでした。
ドストレートに、「おまえに惚れてる」ですから、もう読んでる方はキュンキュンです。もうこんなのただのプロポーズですよ……萌えるしかありません。
設定は特殊能力者ですが、BL的には思春期の少年たちの微笑ましい青春と恋という感じで、とっつきにくさはほぼないでしょう。
肌色シーンはかなり控えめですが、しっかり気持ちが通じ合った充足感がプライスレスに尊いので、余裕の脳内補完です。爽やかな青春BLとしてお楽しみいただければと思います!
©露がも子/徳間書店