2020.09.07

繊細な絵柄と作風もマッチした、幼馴染同士の切ない両片思いBL『まことしやかに舞う花は』束原さき【おすすめ漫画】

『まことしやかに舞う花は』

戦時中の幼馴染同士、押し殺した恋心に揺れる2人の青年の恋模様が切ない作品です。カップリングは、御曹司×美貌の舞踏家となっております。

幼い頃、ずっと春臣の踊りが好きだった颯太朗は、ちょっとした子供らしい嫉妬心から「おまえの踊りなんか嫌いだ」と言ってしまい、それから春臣に避けられ続け、仲直りができないまま親の仕事の都合で海外に滞在することになってしまいます。

謝りたいと願い続けるもなかなか叶わず、ようやく帰国できたときには何年もの時が過ぎていました。帰国後に偶然、下男として潜り込めた春臣の職場で、別人として触れ合い、踊る姿を見ることはできるのですが、なかなか正体を明かして謝ることができません。

春臣は春臣で、颯太朗のことを密かに想っているのですが、時代背景もありその気持ちを打ち明けるなど考えてもみません。とにかく心の奥底に秘め続けて、関わり合えば何かの拍子に颯太朗に気持ちを知られてしまうかもしれないと避けるようになっていたのです。

見事なすれ違い。完全なる両片思いです。

しかも時代は戦時中で、とても色恋沙汰に現を抜かしていられる雰囲気でもありません。颯太朗には社会的な立場もあり、仕事の繋がりのある良家のご令嬢と一時は婚約関係にもなりました。

時代が許さなくても、彼らは気持ちを諦められず、なんとか昔の仲違いが和解したあとはなし崩しで気持ちを伝え合うこととなり、颯太朗は大きな後ろ盾を失いながらも春臣といることを選択します。後ろ盾を失ったことで召集令状が届き、戦地に赴くことになってまさかの死別悲恋コースかと相当ドキドキさせられる展開でした。

現世で気持ちは伝え合ったから続きはあの世で……というお話の流れ、最近のBLではあまり見かけませんが、往年のジュネではよくある話でしたので、読み進めるのに少し覚悟が必要でした。詳細は読んでいただくとして、いろいろあるにせよ読者も納得のハッピーエンドに収まっているかと思いますので、そこは安心して手に取っていただければと思います。

しっとり切ないながらも、最終的にはいろいろなものを切り捨ててでも好いた男を選ぶ颯太朗の男ぶりが光る、読み応えのあるお話になっています。繊細な絵柄と作風もマッチしており、かなりお勧めできる作品ですよ~。

この記事を書いた人

アキミ

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