2020.12.21
年下の純情転校生×素行不良の超美形先輩の、キュン死ものの学園BL。日常系の学園ラブが好きな方は必読です!『きみの春花』有馬嵐【おすすめ漫画】
『きみの春花』
高校生同士の学園BLです。もうね、久しぶりに本当にキュン死するかと思いました……。
帯のアオリに「アオハルラブストーリー」ってあって一瞬何のことかわからなかったんですが、担当さんも正式に発音するのが気恥ずかしくなるくらい悶えていたんでしょうか……。学園青春もの最高です!!!
カップリングは、「年下の純情転校生×素行不良の超美形先輩」ということで、年下攻要素もぶっ込まれております。
学校中で有名な孤高のマドンナ・東城が喧嘩をしているところに居合わせた純恋(すみれ)は、思わず身体を張って庇ってけがをしてしまいます。それがきっかけで彼に気に入られ、何かと一緒に過ごすことが増えていきます。
屋上で一緒にご飯食べたり、授業をさぼって膝枕で昼寝したりと、噂に聞いていた「孤高」はただの外見からのイメージでしかないことに、純恋は早々に気付きます。
そんな先輩が、ある日突然キスしてくるんですよ……。そりゃびっくりするでしょう。先輩後輩としてというより、東城は自分のことが好きだったのですから。
ただし、突然と思っているのは純恋だけで、東城はずっとモーションをかけていたんですよ。普通の先輩後輩は毎日膝枕なんかしないです……全く気付かない純恋は罪な男というかとてもウブです。
彼らの距離感がちょっとずつ縮まっていくのが、日常の中で丁寧に積み重ねられていくんですが、ちょっとしたデートとか、おうち訪問とか、そういうのが眩しいくらい尊く感じられます。中学時代に友達だと思っていた相手に襲い掛かられるというトラウマを抱えている東城が、今好きになった目の前の後輩は彼らとは違う、でもやっぱりちょっと怖いでも好き……って葛藤するところとか、完璧な魔性系誘い受にはない魅力が溢れております。
「男も女も嫌いだけど、お前はいい お前がいい」って、最初の方で東城がさらっと、もうJUNEの時代から使い倒されてきた必殺の殺し文句を吐くんですが、それすら新鮮でかわいく感じてしまいます。
ストーリーに大きな事件とかトラブルがあるわけではなくて、本当に、恋する男子高校生たちの恋愛成就に至るまでが丁寧に描かれていて萌えが臨界点を突破しました。日常系の学園ラブが好きな同志にはぜひ読んでいただきたい作品です。
©有馬嵐/フロンティアワークス