コミスペ!

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2018.03.18

【日替わりレビュー:日曜日】『凪のお暇』コナリミサト

『凪のお暇』

凪のお暇

「第2の人生を始めたのに元彼氏が再び現れ…」
「優しい彼氏だけが支えだったのに…」
「存在が空気の28歳OL」
「過去を清算して新生活スタート」
「優しい彼の部屋には色んな女の化粧水があります。」

……なんだか不穏なテキストが並びますが、これ全て同じマンガのバナー広告のテキストなんです。そのマンガは、今回ご紹介する『凪のお暇』

昨年急に大プッシュされたので、個人ブログやメディアなどいたるところのバナーで目にした方も多いのではないでしょうか。勢いはとどまることを知らず、第8回ananマンガ大賞も受賞しました!

空気を読みすぎる女子力高いOL、大島凪(28歳)。同じ会社に務める優しい彼氏・慎二がいるのを救いにしていたけど、ある日同僚に「あいつ(凪)との結婚はない」と話しているのを聞いてしまい、ショックで倒れます。今まで自分を取り囲んでいたものすべてのものを断舎離した凪は会社もやめ、スマホも手放し、身ひとつで立川のボロアパート(家賃3万円)に引っ越し、ささやかで丁寧な暮らしを始めるのですが……

丁寧な暮らしを始めるのですが……
社会人生活をそんなにうまく過ごせかった主人公が、断捨離していきなり幸せを掴む話ではもちろんありません!!!残業を押し付けられても笑い、SNSでは付き合いのいいね!を押してきた凪。人間いきなり急に変わりません。

無職となり節約生活を過ごす凪ですが、色んな失敗もするし、メンタルがばきばきにやられることもある。基本メンヘラ気質なので、落ち込んでいるシーンの多いこと多いこと

でも新生活での凪は、OL生活の時に見せなかった本当に楽しそうな顔も見せるのです。ボロアパートの住人達とのふれあい、元彼氏・慎二との関係、凪自身の幸せはどうなる!?

『東京タラレバ娘』に続いて、主にアラサー女子の心をぶっ刺してくる作品です。

作者であるコナリミサト先生は、2015年に惜しまれながら休刊した青文字系雑誌の代名詞「CUTiE」にて『ヘチマミルク』でデビューし、「おしゃれ!ファッション!サロンボーイ!」といったサブカルイメージの作家という印象の読者の方もいるんじゃないでしょうか。(私はそうでした)
※ちなみに2017年12月に、「CUTiE」と同じく裏原系を牽引してきた雑誌「Zipper」も休刊になりました。時代が変わってきている……。(大事なことなので唐突に挟みます)

『ヘチマミルク』から本作までの間にも数作挟みますが、『凪のお暇』でコナリ節爆発! しかも掲載誌がオトナ女性向けの「Eleganceイブ」
「CUTiE」から「Eleganceイブ」。その間10年

改めて、作品というのは作家の人生によってどんどん変わって行くものなのだなあと染み入るのでした。最高です。

さて、これから凪のお暇はどんな方向に進んで行くのか。トラウマ系マンガと見せかけて、最近はなんだか恋模様が色濃い様子。しかし、さすがただの恋愛マンガじゃありません。キラキラした恋愛マンガじゃなくって、現実はこうだよね……と共感度増し増しです。

現実には、御曹司や社長に急に見初められて幸せな生活で人生ハッピー♥なんてないない。ここにあるのは読むのがしんどくなるほどの、「分かる」一人の女性の姿なのです。

あと、スピンオフマンガで凪の部屋の扇風機が生活を見守っているストーリーもとてもいい。扇風機だけじゃなくてたくさんの読者がお暇を見守ってるよ、凪チャン!

試し読みはコチラ!

「コナリミサト」の過去作品

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