2018.04.25
【まとめ】個性派メガネ男子学生がヒーローの、新世代少女マンガ!
メガネ男子、お好きですか? 私は好きです。
一昔前は少女マンガのヒーローと言えば、王子様系のイケメンか(大抵金髪)、ちょっと強引なイケメン(大抵黒髪)というイメージ。ところが時代の流れもあってか、最近はヒーロー像も多様化し、特にメガネをかけたヒーローが多く登場してきています。
今回はちょっと前では考えられなかった、メガネをかけた少女マンガのヒーロー達をご紹介したいと思います。
『僕と君の大切な話』
東司朗くん
『となりの怪物くん』のろびこ先生の現在の連載作がこちら、『僕と君の大切な話』。
同じ学年の東くんに想いを寄せる相沢さんは、ある日、勇気を出して駅で告白! けれど、東くんの返事は超予想外の言葉で……。2人のすれ違いが、微笑ましくも共感できる、新感覚トーキングラブコメディ。
いかにもガリ勉系な風貌の東くん、そのイメージ通り、喋り口調は論理的かつクドいです。けれどこんな見た目に反して、勉強は苦手という意外性も持ち合わせていたりするから面白い。モテるメガネもそこそこいたりするわけですが、東くんは女子人気はさほど無く、なにかに秀でているわけでもありません。
まったく少女マンガのヒーロー然としていませんが、そんな子をメインに据えて、しっかり面白く仕上げてしまうのはろびこ先生の手腕ゆえ。
他にはない新感覚トーキングコメディの凄さを、東くんを通して是非感じてみてください。
『日々蝶々』
川澄泰一くん
森下suu先生の出世作となった『日々蝶々』のヒーロー・川澄くんは、セルフレームタイプのメガネをかけた体育会系男子。
学校一の美少女・すいれんが最近気になるのは、空手男子の川澄くん。お互い気になるけれど、お互い異性が苦手で…。純粋すぎる2人の、ひらり、ふわりの恋物語。
メガネ男子というと、イコール勉強で、運動は苦手という印象ですが、川澄くんの場合は空手部というバリバリの体育会系男子だったりするのです。そのマイルドな印象漂う見た目とは裏腹に、実に硬派なその内面が、高嶺の花であるすいれんのハートを射抜くことに。
今回紹介する作品の中では、最も正統派のヒーローという感じのキャラクターで、物語も同様に少女マンガらしいピュアラブストーリーとなっています。
メガネというアイテムは、その硬派すぎる川澄くんの内面をうまく中和する“ヌケ感”を演出しているような気も。
『ハル×キヨ』
峯田清志郎くん
オザキアキラ先生のヒット作『ハル×キヨ』は、高身長女子と低身長男子の恋を描いたラブコメディ。
身長180センチ、けれど超ヘタレで恋とは無縁の女・宮本小春。そんな彼女の恋の相手は、身長150センチ台の、上から目線のメガネくん・峯田清志郎。高身長女子×低身長男子の、凸凹ドタバタラブコメディ。
ヒーローの峯田くんは、メガネキャラというよりはその低身長がフィーチャーされており、メガネはオマケみたいなもの。要するに完全に色モノキャラです。しかし低身長メガネというハンデを背負いながらも、成績優秀な彼は、意外にも女子人気は高め。
正直なところ作中でモテ男っぷりを感じるシーンはあまりないのですが(失礼)、こんな見た目でも内面や言動次第ではちゃんと少女マンガの相手役をやれるんだということを証明してくれる、ニュータイプのヒーローと言えるでしょう。
作品は個性的なキャラクター達が、こじれつつも勢いよく転がるコメディで、気持ちよく読み進めることの出来る物語となっています。
『町田くんの世界』
町田一くん
「別冊マーガレット」で連載中の『町田くんの世界』の主人公・町田くんは、今回紹介する中でも異色中の異色かもしれません。
物静かでメガネをかけている、そんな外見とは裏腹に、成績は中の下。じゃあ運動神経はというと……それは見た目通り。得意なことがなにもない町田くんですが、周りからは人一倍愛されています。その理由とは……。別マ発信の新感覚ストーリー。
勉強は苦手。運動も得意じゃない。家事は積極的にやるけれど、どれも上手くはこなせない。見た目は地味で、メガネをかけている。
そんな何の取り柄もない町田くんですが、周囲の人たちから恐ろしいほど好かれています。それは、彼の圧倒的な人間力の高さによるもの。“稀代の人たらし”と表するのが良いでしょうか。困っている人がいたら助けるし、周りの目を気にすることもなく、声をかけて愛を与えることを厭わない。
いまだかつて、ここまで人間力で勝負してくる少女マンガのヒーローはいたでしょうか。
人間力が圧倒的なので、もちろんモテます(恋愛的にも、人間的にも)。もしかしたら、少女マンガ至上最も愛されているキャラは彼かもしれない……そんな風にすら思えるほどに支持を集める姿は、さながら教祖的ですらあります。
そんなにも魅力的なキャラクターを主人公に据えた物語が、面白くないわけがないじゃないですか。心からオススメしたい作品のひとつです。
いかがでしたでしょうか。
作品を紹介する予定が、キャラクターの紹介中心となってしまいましたが、どのキャラクターも個性たっぷり魅力的な子たちばかりです。ご紹介したとおり、一口に「メガネキャラ」と言っても千差万別で、メガネキャラとひとくくりに決めつけるような時代はとうに過ぎ去ってしまったとも言えるでしょう。
これからもたくさんの魅力的なメガネのヒーローが登場してくるはずで、次はどんなタイプが出てくるのか、とてもワクワクしています。
なお今回は、学生ではないメガネキャラは外して選定しましたが、実はメガネキャラで多いのが先生。落ち着きや知性の象徴として、また教師という職業とマッチするために描かれることが多いのだと思いますが、キリが無くなってしまうので敢えて制約を設けました。いつかそちらも、ご紹介出来る日が来ると良いですね。
ではでは、良きメガネ男子マンガライフを!
©ろびこ/講談社, ©森下suu/集英社, ©オザキアキラ/集英社, ©安藤ゆき/集英社