コミスペ!

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2018.04.27

【まとめ】友達以上恋人未満。男同士の絆に萌える日常系マンガ

男同士の熱い友情というのは、いつの時代も泣かせるものがある。しかし同時に、世の中には、「友達」とは言い切れない、不思議な関係性があったりする。

他の「友達」とは明らかに心の距離が近い。だからといって、わざわざ「親友」と呼んでしまうと、嘘くさい。「知り合い」では当然ないし、「恋人」でもない。

たとえば、スポーツやバトル系のマンガであれば、そこには「ライバル」や「チームメイト」、「相棒」、「パートナー」など色々な関係性があるだろう。しかし、そのような何らかの目的を共有した関係ではなく、「ただ当然のように、ずっと一緒にいる」関係もある。そして、私はそういう関係性にとにかく萌えてしまう。つかず離れず、当たり前のように時間をともにする相手。強いていうなら「家族」が近いかもしれない。

というわけで今回は、日常にあまりにも自然に溶け込んだ、友達以上恋人未満の絆に萌える作品を選んでみた。

『君と僕。』

もはや大家族。幼なじみ同士のゆるくて強い絆に癒される

双子の兄弟、悠太と祐希と、可愛くて優しい春、真面目で怒りっぽい要。四人は幼稚園からずっと一緒の腐れ縁である。悠太や祐希のへらず口に要が怒ったり、そんな要を春がなだめたり、特に何か大きな出来事が起こるわけではないけど、四人で過ごしている風景はいつも穏やかで楽しそうだ。クラスは違うのに、昼ごはんや放課後など、気がつくと一緒にいる。それが自然で心地いい。

読んでいると、ジグソーパズルがピタッとはまったような気持ち良さがある。転校生の千鶴や春に想いを寄せる茉咲など、新メンバーが入ってもその絆は揺るがない。まるで家族のような暖かい絆をぜひこの作品で味わってほしい。

 『flat』

スイーツ男子と硬派な少年の、一歩進んで二歩下がる日常

超マイペースなスイーツ好きの男子高生、平介。彼の日常は、いとこの秋の登場によって、少しだけ変化していくことになる。特に可愛がりもしないどころか、たまに心無い一言で傷つけてしまうにもかかわらず、なぜか異様に秋に懐かれてしまう平介。歳下ながら忍耐強くてしっかり者の秋や、平介を慕う友人たちとの関わりの中で、平介も相変わらずマイペースながら少しずつ成長していく。

単なる歳の離れたいとこ同士の仲とは思えない。秋の平介に対する想いは、もはや恋レベルである。お互いに不器用なせいで、決してスムーズに一緒にいるとは思えない。でも、だからといって離れるわけじゃない。

ちょっとでもわかりあおうとするために努力する二人の姿にキュンとくる作品だ。

『セトウツミ』

僕にとってのスーパースターは……。毎日ただ川の前で喋るだけの放課後

関西の男子高校生、瀬戸と内海が、放課後に川で暇つぶしに喋るだけ。まるで漫才の掛け合いを見るかのようなやりとりが延々と続く不思議な作品だ。

優等生でモテるが内向的な内海と、元サッカー部でバカな瀬戸。内海が瀬戸のことを内心スーパースターだと思っている姿は、どこか『ピンポン』のスマイルのペコに対する憧れと似たようなものを感じる。

正直、外で読むのはおすすめしない。声を出して笑わずに読むのが至難の技だからだ。どこを切り取ってもずっと面白い。どの回も一度は吹き出してしまう。時折お腹を抱えて笑うこともある。そして、たまにお互いの家の事情が垣間見えるとき、とてつもない切なさや哀愁を感じる瞬間がある。しかし、おセンチな気持ちになった次の瞬間には笑っている。

一度読み始めたら、ぜひ最後まで一気に読んでほしい。この二人の関係性が単なる「友達」なんて言葉じゃ言い表せない理由がわかるので。

『聖☆おにいさん』

別次元の異文化交流とは思えない和やかな二人暮らし

目覚めた人・ブッダと神の子・イエスは、世紀末後のバカンスを下界の立川のアパートの一室でともに過ごしていた。ツッコミどころは満載のはずなのだが、あまりにも二人が自然に立川の街に馴染んでいるせいか、気がつくと「そういうもの」として読んでるのが恐ろしい。

宗派が違うというレベルの話ではないが、どちらかというとお互いの性格の違いから、しょっちゅう衝突が起こる。細くて神経質なブッダと、適当で衝動買いばかりしてしまうイエス。ときにブッダの怒りを買ってイエスが慌てる姿は、冷静になるととてつもなく不可思議な状態である。そんな真反対な性格なのに、なんだか居心地が良さそうに感じるのはなぜだろう。そこには最早長く連れ添った夫婦のような落ち着きまで感じられる。

大人の(というよりは、ちょっとおばさんくさい?)絆に萌えたいならぜひこの作品で味わってほしい。

『少年たちのいるところ』

素直になれない少年と素直すぎる友人依存症の少年との行く末は

グロテスクな描写が満載の『ライチ光クラブ』からギャグテイストの少年マンガ『ていいちの国』まで、振り幅の広い古屋兎丸先生。

本作『少年たちのいるところ』は、終始ギャグで軽いテンポの作品だ。普通の高校生活を送りたいと願う佐野霧は、その思いむなしく、友人依存症の南野竜に懐かれてしまい、入学早々、普通の高校生活から足を踏み外す。自己催眠をかけないと満足に男の子と話すこともできない奈良崎すばるも入ってきて、どう考えても普通じゃない高校生の青春が始まってしまうのだ。

嫌よ嫌よも好きのうち、というのだろうか。佐野は南野につきまとわれていることを嫌がってはいるが、決して無下にはしない。普通の高校生活を送りたかったのに、と言いながら、なんだかんだで南野に付き合ってしまう。「友人依存症」などという言葉は聞きなれないし南野の行動は異常だが、作品を読んでいると、その姿自体は意外とリアルに感じられる瞬間もある。友人に友人以上の何かを求めてしまう瞬間。

もしかしたら、この作品は、これまでに紹介してきた「友達以上恋人未満」な関係性を欲している姿が描かれているとも読めるかもしれない。




男の子同士の無邪気なやりとりというのは、女の子同士のそれとはまた違った癒しがある。そして、「友達」とは言い切れない、どこか暗黙でつながっているその絆は、とってもキュートで、ちょっとだけ羨ましかったりもする。

何かをするために一緒にいるんじゃなくて、一緒にいたいから一緒にいる、ただそれだけ。これを読んでいるあなたにも、そんな存在はいるだろうか。

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