2018.03.03
【まとめ】何巻から読んでもOK!1話完結型の面白いマンガまとめ
『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』
いわゆる「オタク系」で「腐女子」な地味で冴えない女子高校生が主人公という、かなり変わった設定のマンガ『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』(谷川ニコ/スクウェア・エニックス)。不思議なことに、この主人公は妙に自分に自信があるようで、人を見下し毒を吐きます。
高校に進学さえすれば自動的にモテると思っていた主人公ですが、そんなはずもありません。理想と現実のギャップに苦悩しながら、ただ世に中に対して不平不満を漏らし、大した努力もせずに悪態をつく毎日を過ごします。なんだか妙なリアリティがある、というのがこの作品の一番の魅力でしょう。
ストーリーは1話完結型で、だいたい主人公が妄想したことを実行しようとし、失敗し、誰かに迷惑をかけてめちゃくちゃ怒られる(場合によってはボコられる)、までが1セットです。サクサク読み進めることができます。
文化祭とか修学旅行とか、学校のイベントに合わせた話の場合は続き物になる場合があります。これはスペシャル編のようなもので、普段は見せない団体行動をすることで主人公が初めて人に好かれたり、友達ができたり、といった展開が拝めるのが特徴です。
このマンガを読み始めたばかりは「ぶっちゃけ、なんて惨めで魅力のない主人公なんだろう」、と思うのですが、読んでいる内に「可愛さ」と「謎のカリスマ性」に気がつきました。実際に主人公のような女の子がいたら、結構モテるんじゃないかって思いますね。
『1日外出録 ハンチョウ』
『1日外出録 ハンチョウ』(協力:福本伸行/原作:萩原天晴/作画:上原求、新井和也)は大人気ギャンブルマンガ「カイジ」のスピンオフ作品ですが、ぶっちゃけカイジを全く読んでない人でも余裕で楽しめます。ギャンブルの要素はありません。
地下労働施設で働き、普段は外に出ることができない主人公の大槻(ハンチョウ)は、特殊な条件を満たした場合に1日だけ外出を許されます。「この1日をどう充実して過ごすか?」という大槻の挑戦が主なストーリー部分となります。
基本的には大槻が食べ歩きを趣味としているためにグルメマンガのような展開になりがちなのですが、その描写がとにかくすごい。カレーを作るにしても居酒屋に行くにしても、人間臭さが出まくります。たかがそれだけのことに、真剣に知恵を絞って作戦を立てる大槻が面白いです。
ごく普通の居酒屋、ごく普通の定食屋でいかに大槻ならではの注文と楽しみ方ができるか。出てくる料理はありふれたものばかりですが、まるで全く新しい世界の料理を食べさせられているような錯覚に陥ります。
個人的に感銘を受けたのは、大槻が風邪をひいた際に描かれた「徹底して風邪を治しにいく」話。理にかなった大槻の行動の一つ一つがとても参考になるし、「なぜこれをわざわざマンガで表現した?」と思わずにいられないような、庶民的でリアルな描写がいちいち面白いです。
1日1日をいかに大切に過ごせるか。改めて考えさせられた作品です。
『アイリウム』
「1錠飲むと未来へ1日だけワープする」不思議な薬「アイリウム」。それを手に入れた人間達のストーリーを描く1話完結型の短編コミック『アイリウム』(小出もと貴/講談社)。
少しややこしいのですが、実際には「これから24時間以内に起きることの記憶を完全に失う」というのがアイリウムの効果。その24時間は「通常の自分」が行動をしているので、アイリウムを飲んだ人間からすれば「1日過ごした結果だけが残る未来」へ瞬時にタイムワープすることになります。
しかも、飲めば飲むほどその間の記憶を失くしてくれるので、やろうと思えば数年後の未来へワープということもできます。
「目の前の嫌なことから逃げるため」
「PTSDを克服するため」
様々な理由からアイリウムに手を出す人々は、ワープした先にどんな未来を見るのでしょうか。辛い記憶がなければ幸せになれるのか? 人間にとって記憶とは何なのか?読み終わると「人間の生きる意味」をつい考え込んでしまう、哲学的な作品です。大切な人と一緒に読んで、感想を言い合いたいですね!
まとめ
マンガは長編だからといって深い内容になるとは限りません。むしろ短い話の中にこそ、作者がマンガを通して伝えたいことや話の本質がギュッと詰まっているのかも知れませんね。
サクッと深いマンガの世界に浸かりたい方。たまには一話完結型の作品にも手を出してみてはいかがでしょうか?
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