2020.10.26
カップルの2人がいろいろな国を巡って異文化に触れていく、BL要素と旅マンガ要素の2本柱で進む世界一周の旅BL!『僕らの地球の歩き方』ソライモネ【おすすめ漫画】
『僕らの地球の歩き方』
旅するBLコミックスです。タイトルもガイドブックっぽくてとても楽しそうです。
以前レビューした『泡沫の鱗』も大好きですが、こちらも趣が違って味わい深いシリーズになりそうな予感がします。
カップルの2人がいろいろな国を巡って異文化に触れていくという、BL要素と旅漫画要素の2本柱の構成で、どっち方向からでも楽しめるのではないでしょうか。
SEの仕事を辞めた朝日は、2人で世界一周できたら結婚しよう! という長大なプロポーズを受けて、恋人の深月と旅に出ます。男同士だということがまだどうしても気になる朝日ですが、異国の文化や価値観に触れていくうちに、少しずつ、恋人が同性であることへの葛藤やうしろめたさと向き合って克服していっているようです。
深月も、フリーダムにゆるく、カメラで異国や恋人の写真を撮りながら朝日との関係を深めていきます。英語も話せない深月ですが、少しずつ覚えようと頑張ったりするところが可愛いのです。
1巻ではタイ、インド、ジョージアというアジアの国を満喫する2人。それぞれの国で出会った人たちと楽しく美味しいご飯を食べたり観光したりしてくれるので、旅行に行きたい欲が大いに刺激されます。
BL要素はまだそこまで色濃く出ていない──というか、すでにカップリングは成立しているので、両思いに至るあれこれはありません。
彼らは、旅を通じてどのようにこの恋愛関係を持続させるべきかを探っているのです。もう働き始めている社会人なので、学生のように気持ちだけで突っ走ることはできません。
何とか世間と折り合いをつけながらやっていくことになることを、肌で感じてしまっている感じがします(特に朝日)。
肌色要素は……1巻目にはありません。朝チュンです。
主にBL方面は、メンタル描写や旅先で出会った人たちや彼ら同士の会話で楽しむ感じです。ですので、BLが苦手かな……という方でもあまりお洋服を脱ぐ方面の描写を気にせず読めると思います。
この先、たくさんの国を巡る彼らがどんな風に考え方を変えていくのか、関係性がどうなっていくのかをワクワクしながら待ちたいです。
©ソライモネ/マックガーデン