2019.04.03

読者の性癖に殴りこみ!ショタコンにならざるをいられない!『田舎に帰るとやけになついた褐色ポニテショタがいる』びみ太【おすすめ漫画】

『田舎に帰るとやけになついた褐色ポニテショタがいる』

少年の姿が、心を惑わしてくる、夏

かつて映画「サマーウォーズ」を観て、褐色少年のカズマに人生を狂わされた人は多いと聞く。中性的で活発で思春期という、魅力的要素を詰め合わせられると、たとえショタコンじゃなくても性癖にぐっさぐさに刺さってくるから怖い。

そして、この作品も読者の性癖に殴りこんでくる暴力のような作品。読み終わった後、老若男女問わずショタコンになること間違い無しの恐ろしい漫画だ。

大学生の市橋航平(いちはし・こうへい)は田舎の実家に帰ってきた。そこに住んでいる従弟の少年、市橋圭(いちはし・けい)。髪を長く伸ばし、ポニーテールにしている、元気で日焼け肌の少年だ。

今まで全く意識したことがなかったのに、そのポニテを見た瞬間、ドキッとしてしまう航平。「かわいい」というと、圭は「へへぇそっかぁ~」とニヤニヤ笑う。焦る。

「男の子のはずの従弟がやけにかわいく見える」

圭の行動は別におかしなことは何一つない。航平と一緒にお風呂に入りたがったり、隣の布団で寝たり。男の子だし、セーフだと自分に言い聞かせ続ける航平。でも圭の仕草一つ一つにドキドキが止まらなくなってしまう。

川に入るため服を脱ぎ散らかす圭。ポニーテールを結んでくれたことに喜ぶ圭。触れられてくすぐったがり赤面する圭。

この作品は基本、航平視点で描かれている。だから彼が意識すればするほど、圭の色っぽさがクローズアップされる。見ているこちらもドキドキしてくる、という仕組み。まだまだ身体も性的に未分化な状態だからこその、成長途中の幼さあふれる圭。これは「セクシー」というよりも、男女の別け隔てのない「かわいい」を感じさせるがゆえに、「男の子にドキドキするなんてヤバイ」という背徳感が浮かんでしまう状態に近い。

圭がずっとひざに絆創膏を貼っているのはポイント。彼はごく普通のやんちゃな男の子で、日焼けしているのもフェティッシュな記号ではなく、本当に活発だからだ。

もし大人側がドキドキを感じるとしたら、その活発さと、甘えてくるしおらしさのギャップから来る、少年が一瞬しか持つことの出来ない姿を発見してしまったからだろう。

お風呂に入るシーンで系の裸体を見ることができる。男の子なのでなんの問題もない。乳首が見えてもOKなはず。はず。ただ、航平に対して甘えてくる圭の姿はもう男女関係ない。脳が咄嗟にやばさを感じる。

問題は圭の曖昧な好意(航平をどう好きなのか)がはっきりした時だろう。または一年たって成長した時の航平との関係がどうなるか。

絶妙な身体と心の成長段階の少年。1巻表紙のような姿が見られるのは、この夏の一瞬だけ。少年のエロティシズムは、儚さからくる美しさでもあるのだ。

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たまごまご

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