2020.01.17
【特別座談会】劇場版『メイドインアビス 深き魂の黎明』公開記念!つくしあきひと×富田美憂×伊瀬茉莉也×井澤詩織 インタビュー!
レグは、ヒーローでありヒロイン
──今回の劇場版制作にあたって印象に残っているシーンや出来事などはありますか?
富田:アフレコで皆そろって収録できたのはやっぱり嬉しかったですね。2年ぶりですけど「これこれ! これぞアビス!」って思えました。印象的なシーンは「カートリッジがこぼれちゃうシーン」が……。
つくし:ふふ……ふふ……。
富田:先生(笑)。あそこで私は必死にぐちゃぐちゃになりながら叫んでいたんですけど、つくし先生はその収録シーン中、横のブースで誰よりも笑っていたそうです(笑)。それを後から聞いてちょっと面白かったです(笑)。
つくし:いや、本当に凄いなって思ったんですよ。感極まってどうにかなっちゃいそうな時の芝居に圧倒されたんです。自分で描いたものを演じてもらうと世界が広がるので。
あとこれは単純な収録の感想になっちゃうんですけど、収録が合宿みたいで楽しかったですね。皆ヘロヘロになってましたね(笑)。
井澤:2日間ぶっ通しでしたので、気持ちはずっと元気だったのに、後半は舌が回らなくなってましたねぇ。
伊瀬:戦闘シーンは、レグとしてはやっぱり見せ場なので印象深いですね。同じ画面上・収録現場で隣にリコとナナチが居てくれたことで、家で1人で台本を読んでるときとは全然違った「こんなにも心強く感じるんだ! 自分のためだけじゃなくて、2人の為にも戦いたい!」という気持ちが芽生えました。
つくし:は〜〜〜……レグですねぇ。
伊瀬:(笑)。役者の醍醐味というか、役得というか、レグというキャラクターを独り占め出来るような感覚を味わえて、それが凄く楽しかったです。
井澤:実はナナチは、テレビシリーズの時だと音響監督さんに「あまり声は張らないでください」と言われてたんです。でも今回は劇場版なので「声を張っても大丈夫だよ!」と言って頂けたので、沢山叫ばせて頂きました。そこがテレビアニメと比べて新鮮な体験でしたね。
──つくし先生的に今回の劇場版でお気に入りのシーンはありますか?
つくし:滅茶苦茶沢山ありますよ。どこって言われると逆に難しいですけど。でもやっぱり戦闘シーンは凄かったですね。
アクションシーンを専門のコンテの方に頼んだと聞いていましたけど、ぬるぬるレグが本当にぬるぬるしてましたね。ちなみにぬるぬるレグの色味はちゃんと指定して、その通りにして頂けました。
後は生き物をしっかり描いてもらえたのが嬉しかったですね。刺身にされる「ハマシラマ」とか(笑)。
井澤:あれ、鳴き声は誰がやったんだろうね。
伊瀬:たしかに、誰だろう! 意外と低い声だったよねぇ。
──ちらちら既に話が出ていますが、改めて劇場版を制作してご自身が演じるキャラクターの魅力はどういったところにあると思いましたか?
富田:本編でもリコは、ボン様に「思っているよりもずっとこちら側なのかもしれませんね」と言われていましたけど、リコの持つロマンや憧れはきっとボン様と近いものがあると感じました。
でも、近いけどそれはやっぱり違くて、今回の劇場版で陰と陽というか、そういう2人の差が凄く明確になったなと思いました。リコは本作を通してより前向きになれた気がします。
つくし:リコが一番成長していますよね。ボンドルドは人であった頃の色々を、何とか真似してそうありたいとしていると思うんですけど、リコは素のままでそれを持っていて、そのリコが持つ素の部分がお芝居でちゃんと出てきていたので「あぁ、良い!」ってなりました(笑)。
──伊瀬さんはレグを演じていかがでしたか?
伊瀬:レグってやっぱりリコと一緒にアビスに潜っているのもそうですけど、自分の為よりも人の為という行動原理を持っている気がして、今回もナナチの仇の為にボンドルドと戦っていましたし、そういう所が本当に尊いなって思いました。
つくし:レグは、ヒーローでありヒロインですよね。
伊瀬:それに対応して、リコもヒロインでありヒーローでもある気がするんです。2人は凄く補いあっていて、良い関係ですよね。
あとレグは今回ナナチのモフモフを嗅いでドキドキするシーンがあって、そういう所が男の子っぽいなぁと思いました。と、思いつつもどういう感情なのかがよくわからないんですけど、あのレグの反応はなんなんでしょう……?
つくし:幼い頃って、自分が何に興奮しているのかわからない時期があるんですよ。人形同士を戦わせて凄い興奮しちゃったり。ちゃんと名前もついてる現象なんですけど、レグはそういうのを引きずりがちなんですよね。レグ本人にも説明がつかないやつです。
──なるほど、わかりますその感覚!
伊瀬:わかるんだ……!
──それにしても、ナナチのモフモフは素晴らしいですよね。
井澤:ですよねぇ。それに加えてナナチにはパーティーにおける安心感としての魅力がありますよね。
危なっかしい2人を支えてくれるナナチがいるから、観ている方もある程度安心して冒険を楽しめるんじゃないのかなって思います。作戦がないまま立ち向かって負けてしまうのもある意味青春だとは思いますけど、やっぱり観ている方としては勝ってほしいですしね。
──ナナチ登場後にイチからアニメを見直すと、ナナチいないでよく潜って行けたなってなりますよね。
つくし:そうですね。実際どうにもならなくなってナナチと出会いましたしね。
©つくしあきひと・竹書房/メイドインアビス「深き魂の黎明」製作委員会