2021.10.27
【インタビュー】『しあわせ鳥見んぐ』わらびもちきなこ「”知る”ことで世界が広がる喜びを伝えたい」
映像を撮る感覚で漫画の構図を考える
──担当さんから見た『しあわせ鳥見んぐ』の魅力とは何でしょうか?
担当編集:先生自身がバードウォッチングをしっかりされていて、その実体験が下地になっていることが作品の魅力に繋がっていると感じます。間違いがないよう私のほうでもなるべくチェックはしますが、バードウォッチング関連の描写で修正を入れることはほとんどありません。
あとは何といっても、鳥の作画でしょうか。我々編集部の期待を遥かに超えるレベルのリアルさや大胆な構図で鳥の絵を描かれているので、さすがきなこ先生だねと編集同士で言い合ってます。
きなこ:ありがとうございます! 作画をするときも、すずたち人間より鳥のほうが気になってしまってそっちばかり修正していますね。
担当編集:きなこ先生は美大を出られているので、もともとの画力も相当高いんだと思います。
──作中ですずたちが通っている大学は、先生の母校がモデルなんですか?
きなこ:いえ、私が通っていたのは東京の武蔵野美術大学でして。すずたちの学校は、山形にある芸大ということで東北芸術工科大学をモデルにさせてもらいました。私も取材のために何度か行ったことがあるのですが、周辺の景観もよく、大学の裏にある公園はバードウォッチングスポットとして個人的にも気に入っています。
──大学で学んだことで、現在の漫画家生活に役立っていると感じることはありますか?
きなこ:実は大学では映像を専攻していたので、絵に関してはほとんど独学なんです。鳥の絵も、この漫画を描き始めてから本格的に練習するようになったくらいで。
強いていえば、映像を撮る感覚で漫画の構図を考えることはよくありますね。4コマの四角いコマをひとつの画面に見立てて、カメラを長回しするように連続した時間の流れを描いていくというか。
──たしかに、『しあわせ鳥見んぐ』には印象的なアングルが多い気がします。4コマが縦長で、上から下に読んでいくことをたぶん意識されているんだろうなと。
きなこ:上から下だけでなく、下から斜め上への視線移動があるのも4コマの特徴だと思います。例えば、一番下の4コマ目に鳥を見つけたキャラクターの顔を描いて、その次の1コマ目に木に止まっている鳥の姿を描くじゃないですか。
すると、キャラクターが木を見上げる動きと、読者が視線を上げる動きがシンクロするんですよ。そういった4コマならではの視線移動が、「見る」ことを楽しむバードウォッチングという題材にあっている気がして、色々工夫しながら描いています。
──なるほど……。その観点で4コマを読んだことがなかったので新しい発見でした。
きなこ:『しあわせ鳥見んぐ』を描き始めたとき、この題材ならストーリー漫画のほうが向いているのかなと思ったことがありましたけど、やっぱり4コマ形式にして正解でした。コマの形が同じという制約はありつつ、その制約の中で何ができるかにチャレンジする楽しさがありますね。
”人を動かす力”を持つ作品に憧れる
──先生は子どものころどんな漫画を読んでいましたか?
きなこ:小学生のころ世間でハムスターブームがあって、その流れで『ハムスター倶楽部スペシャル』という雑誌を毎月買っていました。ハムスターをメインに鳥や猫などの4コマが載っていて、そのころから「動物」×「4コマ」的なものに無意識に触れていたのかもしれません。
あとは、こげどんぼ*先生の作品のかわいい女の子が好きで、よく真似して描いてましたね。少年漫画だと『鋼の錬金術師』や『銀魂』を読んでいて、『PJK』でハチャメチャなギャグをやりたいって思ったのは『銀魂』の影響が大きかった気がします。
──今おすすめの漫画はありますか?
きなこ:今は『ゴールデンカムイ』が好きです。純粋にストーリーも面白いですけど、実際に北海道に聖地巡礼する人がいたり、アイヌ文化が再注目されるきっかけになったり、あの作品が持っている”人を動かす力”がすごいなと感じていて。
『しあわせ鳥見んぐ』も、バードウォッチングに興味を持つ方を増やしたいという想いで描いています。その意味でも、ジャンルこそ違いますが『ゴールデンカムイ』は憧れの作品ですね。
──そういえば、『ゴールデンカムイ』にもシマエナガが登場する話がありましたね。
きなこ:あの回は衝撃的でした……。
本日18日は、明治末期の北海道を舞台にした人気漫画『ゴールデンカムイ23巻』の発売日だよ。なんと!この新刊にはシマエナガ回(228話)が収録されているよ!まんまるでかわいいシマエナガが登場するよ!ただ、読むには強靭な精神力が必要になりますのでご注意ください(・▴・)ケイコク pic.twitter.com/LPRfoII9QC
— ぼく、シマエナガ。 (@daily_simaenaga) September 18, 2020
──最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。
きなこ:アウトドア趣味の中でも、キャンプや釣りに比べるとバードウォッチングはマイナーかもしれませんが、『しあわせ鳥見んぐ』を通して少しでも面白さを伝えていけたらと考えています。
私自身、バードウォッチングを始めるまで、身近な場所にたくさんのきれいな鳥が暮らしていることに気づきませんでした。知ることで世界が広がるしあわせを読者の方にもぜひ体験してほしいし、そのきっかけにこの漫画がなれば嬉しいです。
──本日はありがとうございました!
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