2018.04.21
【日替わりレビュー:土曜日】『ボクと師匠の秘密工房』横山知生
『ボクと師匠の秘密工房』
当方の個人的趣味のため「おねショタ」か「百合」を紹介する率がむやみに高まりつつある土曜日の日替わりレビューだが、そこは開き直って今回もまたおねショタ作品で攻めてみたい。
バランス? 知らない子ですねぇ……。
『ボクと師匠の秘密工房』は、少年ガンガンおよび系列誌で活躍してきた横山知生がガンガンONLINEで連載中のWebマンガである。
主人公「ボク」は、大工になることを夢見る小学生男子。
大小さまざまなゴミが転がる川沿いの廃工場が秘密の作業場で、うち捨てられたガラクタを材料にちょっとした家具や遊び道具を作り出すのを楽しみとしていた。
ある日のこと。
いつものように廃校場へやってきた少年は、彼の作ったベッドの上でひとりの女子高生が勝手にすやすやお昼寝しているのを発見する。
起こしてみれば、女子高生はいきなりベッドの作りが甘いことを鋭く指摘。さらにハンモックの制作を提案してきて、木製の引き戸や野球用のネットを組み合わせて目的のものを見事に仕上げてみせた。
工業高校に通っているという女子高生が鮮やかな手つきでノコを引いて木材をカットする姿は少年の目にとてもかっこよく見えて……その腕前に感動した「ボク」は、それ以降彼女を「師匠」とあおぎ、ふたりで一緒にもの作りする日々に喜びを見出していくことになる。
子供が秘密基地で遊ぶ、興奮のドキドキ。
自分と同じ夢の先に立つ存在へ抱く、憧れのドキドキ。
そして年上のおねえさんとふたりきりの時間と空間を共有する状況に感じる、艶めいたドキドキ。
そんなふうに、何種類ものときめきを重ね合わせた甘酸っぱくも微笑ましい光景が本作の見どころとなっている。
ふたりがおこなう工作の過程は毎回詳しく具体的に描き込まれているのでホビーマンガとしてのクオリティも高く、そちらを目当てに読んでも大いに収穫があるだろう。
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