2018.07.15

【日替わりレビュー:日曜日】『極主夫道』おおのこうすけ

『極主夫道』

単行本発売は8月9日予定と、ちょっと先ではあるのですが、めちゃくちゃおもしろいので我慢できずプッシュさせて頂きます。

以前から『瀬戸の花嫁』などもありましたが、最近特に『ヒナまつり』『Back Street Girls』『紺田照の合法レシピ』『侠飯』など、ヤクザをメインキャラクターに置いた、コメディタッチの作品やご飯モノなど、ヤクザという強面設定とのギャップを楽しめるタイトルが人気を博しています。今回ご紹介させて頂く本作『極主夫道』も、その流れのうちの一作です。

主人公の龍は、一晩に単身丸裸で抗争相手の事務所を十カ所潰したと言われる伝説のヤクザで、“不死身の龍”という通り名でその筋では有名な男。そんな元・最凶ヤクザですが、今では足を洗って家庭に入り、専業主夫として平和な日々を過ごしています。

しかし、ヤクザとしての生活が長かったばかりにどうしてもその雰囲気や根底に流れるヤクザとしての考え方まではちょっとやそっとでは変えられない。そんな龍を中心にして、嫁、昔の舎弟、ご近所さんたちなども巻き込んだアットホーム?なコメディを繰り広げていきます。

家事に慣れないヤクザが、頑張って拙い主夫業をするといったような作品かと思いきや、彼の主夫力自体はすでにめちゃくちゃ高い。早朝から、手慣れた手つきでクマさんおにぎりの入った可愛らしいお弁当を作り、しっかり携帯で写真に収める、といった一連をささっとこなしてしまいます。

また、奥さんが仕事での大事な会議を忘れて急いでたためお弁当を持って行くのを忘れてしまうのですが、それを届けるに当たってまずはしっかりジップロックにお弁当箱を入れてからアタッシュケースに入れて運んでるのも、さらに彼の主夫歴が長いのであろうことを物語っています。

ヤクザ映画とかでよく現金が敷き詰められているようなケースに、お弁当箱をポンと入れてるので確実に寄り弁はしてしまいそうなのですがそれは置いといて、お弁当箱からの汁漏れを防ぐためにジップロックにキュっとしまうのは、普段あまり家事をしていないとなかなか忘れがちですよね。

お話を読み進めていくうちに、本人自身はしっかり真面目に主夫をしようと頑張ってることがわかるのですが、やってることがズレてたり、見た目がヤクザすぎるせいで周りから怖がられたりもしていて、なかなか平和に暮らせない龍がちょっとかわいそう。とはいえ、彼を取り巻く周囲の人々もみんなちょっとズレているので、終始笑いへと転換されていきます。

全体を通して画力が高く、ギャグセンスも高めな作品に仕上がっているのですが、作者のおおのこうすけ先生は、なんと今回が初連載。本作はもちろん、今後の作品展開にも期待が高まります。

『極主夫道』は、Webマンガサイト「くらげバンチ」で1〜10話まで現在公開中(途中公開終了したお話もあります)ですので、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。

試し読みはコチラ!

この記事を書いた人

八木 光平

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